「成長戦略ビジョン2033」

策定された新ビジョン基本・実施計画を手にする原口座長と高岡市町村長会長ら奄美群島の市町村長

基本・実施計画を策定
原口座長、市町村長会に提言
前期5か年 「つなぐ」「稼ぐ」「支える」

 奄美群島新ビジョン懇話会(座長・原口泉志學館大学教授)は27日、昨年度策定した「奄美群島成長戦略ビジョン2033」に基づく基本計画・実施計画(前期)案を、奄美群島市町村長会に提言した。同日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)で行われた市町村長会で、原口座長が市町村長会会長の高岡秀規徳之島町長に手渡した。計画案は、市町村長会で原案通り可決、同日付で策定された。

 同懇話会は昨年2月、奄美群島12市町村の新たな10年(24~33年度)のあるべき姿などを示した「戦略ビジョン2033」の策定以降、そのビジョン実現のための具体的な取り組み内容などを示す計画策定のための議論を行ってきた。

 今回示された計画は、10年間のうち28年度までの前期5年間に取り組むべき具体的な施策などを示すもので、奄美群島全体と島ごとに実施する内容などが盛り込まれている。

 市町村長会では、原口座長が「ビジョンの将来像の実現より近付ける取り組みに努め、計画の推進体制を強化することを期待している」と述べ、提言書を提出。高岡会長は「これを機にわれわれもしっかりと取り組みビジョンの実現に向け一致団結していきたい」と話した。

 新ビジョンでは、「つなぐ宝」(資源・価値)、「稼ぐ力」(経済成長)、「支える基盤」(基盤)の新たな三つの柱を軸に、自然と文化を守り継ぎ、仕事の創出に注力した産業振興を推進する基本理念を掲げている。実施計画ではこの三つの柱を軸に、奄美群島全体で取り組むべき施策と各島の独自性や多様性といった実情に沿った基本方針や施策などを提示。目標値を備えた指標のほか、モニタリング指標についても設定している。