喜界町でジオパクパク給食

訪れた隈崎町長と鹿児島黒牛の牛丼などを味わう喜界中の生徒たち(提供写真)

 

 

地元食材を豊富に使ったこの日の献立

 

 

鹿児島黒牛の牛丼、ペロリ
生徒らが郷土の恵み堪能

 

 喜界島ジオパーク推進協議会(会長・隈崎悦男町長)が進める「喜界島ジオパクパク給食・特別編」が26日、町内の小中学校であった。同町で生まれ、鹿児島で育った鹿児島黒牛を使った献立が提供され、生徒らは軟らかな黒毛和牛の牛丼をペロリと平らげ、郷土の恵みを堪能した。

 喜界町が推進する日本ジオパーク認定に向けた取り組みの一環で、給食は地元食材を通じて島の成り立ちや大地の恵みに関心を高めようと昨年9月に開始。月1~2回のペースで地元食材を使った献立を提供している。

 特別編の企画には、町や町教育委員会、防災食育センター、町和牛改良組合、JAあまみ喜界事業本部などが協力した。牛は、町内農家が繁殖して出荷した牛を使った。島には肥育農家がいないため、鹿児島で育った鹿児島黒牛を買い戻して調理。この日は、パパイアを和えた牛丼の具に、麦ごはん、カボチャのみそ汁、「まみっからー」(そら豆菓子)を添えて町内の全小中学校に届けた。

 喜界中学校には、隈崎町長らが給食時間に合わせて訪問。JA職員の思将太さんが島生まれの子牛が日本一の牛に育つまでの過程などを講話した後、豊かな味わいの牛丼を夢中で頬張った。

 3年の山口心美さんは「お肉はあまり得意でないけど、このお肉はおいしかった」と喜び、3年の俊原桜佑さんは「給食ランキングではトップ10に入るおいしさだった。農家の思いを感じながら食べられた」と笑顔だった。

 隈崎町長は「隆起サンゴ礁の島で育まれた文化や農作物。給食を食べ、島を知るきっかけにしてほしい」と述べ、同協議会の鈴木倫太郎統括研究員は「畜産業が厳しさを増す中、盛り上げる狙いもある。子どもと畜産業がともに育つよう期待したい」と話した。