3日「ミライのサキプロジェクトin奄美大島」

イベントへの参加を呼び掛ける小松選手(右)と井上トレーナー

「障がいを正しく、楽しく知ろう」
パラカヌー日本代表・小松選手
車いす体験やスポーツレクなど

パラカヌー日本代表として東京パラリンピックに出場した小松沙希選手(29)=電通デジタル=企画によるイベント「ミライのサキプロジェクトin奄美大島」が3日午後3時から、奄美市住用町の奄美体験交流館である。同プロジェクトは、障がいや障がい者について正しく知り、健常者も一緒にスポーツなどを楽しむことが目的。小松選手は「障がい者だからといって全てサポートが必要なわけではない。ほんの少しの勇気と思いやりで、障がい者と健常者を隔てている壁をなくすことができることを、プロジェクトを通して伝えたい」などと話し、多くの人たちの参加を呼び掛けている。

小松選手は高知県四万十市出身。小学生の時にバレーボールを始め、大学卒業後の2017年にVリーグのブレス浜松に入団。しかし、19年に体調を崩し、両足と左手のまひにより車いすでの生活となった。

21年に身体障がい者によるカヌー競技のパラカヌーに本格的に取り組み、同年の東京パラリンピック出場を果たした。22年からは同市住用町で毎年、合宿を行っており、今回は21日~3月8日の日程で合宿を行っている。

ミライのサキは、小松選手とトレーナーの井上由布子さん(33)による講演や車いす体験、体操教室などのほか、2人と親交のある元プロ野球選手の黒羽利規さん、元力士の豊ノ島さんもゲスト参加。さまざまなスポーツレクリエーションなどを通して、障がい者スポーツの楽しさや魅力などを知ってもらう。

小松さんは「数センチの段差で車いすの通行ができなくなるなど、障がいを持ったことで、日常生活の中にたくさんの不便やバリアがあることに気付いた。一方で、ちょっとした手助けや声掛けが障がい者にとっては大きな支えになることもある。イベントを通し、一人でも多くの人が障がいを正しく理解することで、障がい者への偏見などがなくなることを願っている」と話した。

イベントに関する情報は小松選手の応援サイトなどにも掲載されている。問い合わせはNPO法人健康ど宝・担当の実さん(電話090・8416・7111)へ。