喜界島発物語に子どもたちワクワク

マスコットキャラクターの「ま~じむん」を手にする喜界町在住の甲原さん夫妻

上映会で映像に夢中で見入る親子たち

デジタル絵本『ま~じむんとじぃの木』
奄美市で上映会

 喜界島を舞台にしたデジタル絵本『ま~じむんとじぃの木』の上映会が3日、奄美市名瀬の県立奄美図書館であった。古くから伝わる伝承を元に、喜界島の自然や動植物たちを描いた絵本動画を上映。鑑賞に訪れた親子らはワクワクと胸を高鳴らせた様子で、かわいい妖怪と老木が織りなす不思議な物語に見入った。

 喜界町で、島の素材を使ったもの作りに夫婦で取り組む㈱Keithlandが企画した。島に伝わる七夕羽衣伝説に着想を得た物語で、悪さばかりする島の妖怪・まーじむん(方言で魔物)が不思議な白い花を咲かせたじぃの木との出会いを機に、白い花の秘密を巡って自然を探検するストーリー。脚本・作画は妻の甲原真子(なおこ)さん(35)、プロデュースは夫の和憲さん(37)が担当。声やナレーションは東京在住の声優・浜崎美保さんに依頼した。

 制作には県の「文化の薫り高いかごしま形成事業」を活用。小さな子どもにも島の動物や方言、風景に興味を持ってもらおうと企画した。昨年の夏前から制作に着手。パラパラ絵本に簡単なアニメーションと声、音を加えた映像を基本に、島で撮影した風景や鳥の鳴き声なども取り入れた。動画は約12分。真子さんは「昔はよく図書館に通い、たくさんの夢をもらった。子どもたちが探検心を育み、少しでも島の文化に関心を高めてもらえれば」と期待を込めた。

 上映会は、午後2時から1時間置きに3回実施した。母親と観賞した竹原優里那ちゃん(5)は、幼稚園で学んだアカショウビンなどの登場に喜び、「楽しかった」と目を輝かせていた。真子さんは「森の中に行けばまーじんまに出会えるかも。みんなで探してみて」と呼び掛けた。

 映像は、来週末頃から動画投稿サイトユーチューブで公開する。今後はシリーズ化を念頭に、絵本制作も予定している。