かごしま林業大学校

来春開校へ準備
県当初予算案に経費や窓口新設

 県は、「かごしま林業大学校」の来春開校に向けて準備を進めている。開会中の県議会3月定例会に提案している2024年度一般会計当初予算案に開校準備事業費を計上しているほか、環境林務部森林経営課に開設準備班を設置する。林業で即戦力となる人材の育成を目指す。

 同議会代表質問での答弁で塩田康一知事は、林業大学校について「林業の基礎から最先端に至る幅広い知識と技術を兼ね備えた安全意識の高い即戦力となる人材の育成を目指して姶良市の『森の研修館かごしま』と、垂水市の『鹿児島大学農学部付属高隈演習林』を研修実施施設とし、2025年4月の開校に向けて必要な準備を進めている」と説明。

 開校に向けては研修生募集に取り組まなければならない。高校新卒者だけでなくU・Iターン希望者などにも林業や林業大学校の魅力について幅広く周知していく方針。県では今年1月から離島を含めて県内の農林業系学科がある高校など16校に対し、林業大学校の開校時期や研修内容について個別訪問による広報活動を実施している。

 この活動を新年度は県内全ての高校などに対象拡大。個別訪問、県内外で実施される就業ガイダンスへの参加、オープンキャンパス開催による研修生募集のほか、県ホームページやポスターなどを通し情報発信していく。

 研修実施にあたりカリキュラムの編成やサポート体制の構築、研修に必要な資機材の整備も欠かせない。知事の説明によると、カリキュラム編成は昨年10月に策定した林業大学校の設置にかかる基本計画に盛り込まれた森林経営や素材生産など13の研修項目の具体的内容、時間、実施時期などについて現在、鹿大や林業関係団体と協議を進めているという。今後、こうした関係者で構成する運営協議会を設置し、出された意見などを基に年間を通じたカリキュラムを編成していく。

 並行して研修に関するサポート体制も構築する。林業事業体や関係団体、大学、森林管理署、市町村などが一体となるもので、県内各地の主な林業事業体などを個別に訪問し、講師派遣や実習フィールドの確保、高性能林業機械の利用について具体的な協議を進めているという。開校後、研修生が実際に実習で使用するチェーンソーや刈り払い機などの機材、防護服やヘルメット等の装備品など研修の実施に必要な資機材を整備していく。

 開校に向けた準備を円滑に行うため必要な経費として当初予算案に盛り込んでいる金額は4305万3千円(林業大学校開校準備事業)となっている。