東大むら塾OB5人が来島

島の農業について東京大学の学生と意見交換したフォーラム(2日、和泊町仁志字公民館)

「農業は守るべきもの」
和泊町 地元農家らと語り合う

 【沖永良部】「沖永良部農業の未来を語るフォーラム」が2日、和泊町仁志字公民館であった。東京大学の4年生5人と地元の農家や役場職員ら12人が参加し、島の農業について語り合った。

 来島した5人は、「農業による地域おこし」をスローガンに活動しているサークル「東大むら塾」のOB。大学卒業を前に、沖永良部島の農業について知ろうと、卒業旅行を兼ねた視察研修として今月1日から3日間の日程で島を訪れた。

 この日は、沖永良部花き専門農協や南栄糖業を視察したほか、現在収穫の最盛期を迎えているサトウキビやバレイショのほ場を見て回った。

 フォーラムは同塾と仁志字住民有志が主催。最初に、沖永良部花き専門農協参事の大福勇さんが沖永良部島の農業について講話した。エラブユリの生産量の推移や農産物の輸送体系などを聞いた学生からは「花きの収穫作業は機械化できないのか」「船をチャーターして農産物だけを運ぶことはできないのか」などの質問が出た。

 ディスカッションでは、スマート農業について地元の若手農家は「とてもいいことだが、故障時に修理が追い付かないという現状もある。機械化を進めていっていいのか疑問だ」と述べた。

 4月から総務省に入庁する東大4年の藤盛慎之介さん(23)は「農業は、国民の食はもちろん風土や文化の支柱であり、みんなで支えていくべき大事な価値だと沖永良部島に来て改めて思った」と語った。