大島紬姿で授賞式に臨んだNPO法人「親子ネットワークがじゅまるの家」の野中涼子理事長(左)とスタッフの安藤美智子さん
表彰の盾を受け取り笑顔の野中さんと、高田幸徳・住友生命取締役代表執行役社長
【東京】徳之島町で子どもの支援活動などにあたる特定非営利活動(NPO)法人が5日、中央区で開催された第17回「未来を強くする子育てプロジェクト」表彰式(住友生命相互会社主催、文部科学省・こども家庭庁後援)で、「スミセイ未来大賞・内閣府特命担当大臣賞」に輝いた。
同プロジェクトは、「子育て支援活動の表彰」と「女性研究者への支援」の二つの公募事業を柱として2007年にスタート。過去16回では12組の子育て支援活動と10人の女性研究者に対して表彰と支援を行ってきた。子育て支援活動の表彰は、各地域の参考になる特徴的な活動を社会に広く紹介し、他地域への普及を促し、子育ての環境整備、不安を払拭(ふっしょく)することが目的。
徳之島町のNPO法人「親子ネットワークがじゅまるの家」(野中涼子理事長、スタッフ18人)は、自らの子育てが終わった06年頃、地域の子育て支援に「親子のつどいの広場」を開設し、さまざまな要望が集まるようになった。やがて病児保育、企業主導型保育園の開設、相談支援事業と事業が増加。今では不登校支援や子ども食堂へと活動の幅を広げ、20年には妊娠相談窓口「にんしんSOS」を開いた。当初は島内のみだったが、県からの要請で県内全域をカバーすることになり、本土での活動も視野に入れている。
日本橋室町のイベントホールでの表彰式に野中理事長(47)は緊張の面持ちで登壇。「子宝の島にあやかって、子育てが全国で楽しくできるようにとの(審査員の)思いが受賞につながったのではないか」と、はにかむように喜びを語った。また「世界自然遺産になった、環境のいい徳之島にぜひ遊びに来てください」と笑顔を振りまいた。
新設された賞の初受賞団体であると同時に、奄美群島初の快挙となった。文部科学大臣賞に輝いた名護市学習支援教室ぴゅあ(沖縄県)とともに、副賞100万円が贈られる。野中さんは「子ども第三の居場所のために使いたい。子宝の島・徳之島を支える『かじゅまるの家』であり続ける」と意欲を示していた。