看護福祉専卒業式

新たに43人が福祉や看護の場に旅立った(5日、奄美看護福祉専門学校)

6歳の長女を伴って式に参加した岡﨑未来さん(左)

43人が新たなステージへ
「社会的困難者の力に」

 奄美市名瀬の奄美看護福祉専門学校(向井奉文校長、学生153人)のサングリーンホールで5日、第27回卒業式があった。医療・福祉・幼児教育の未来を担う卒業生43人(看護学科36人、こども・かいご福祉学科7人)が新たなステージに旅立った。

 同校は1995年、旧・名瀬市(現・奄美市)の依頼を受け、宮崎県の学校法人日章学園が開校。卒業生は奄美群島や沖縄県などを中心に就職しており、各分野の人材育成の拠点となっている。

 式では、卒業生の名前が一人ずつ呼ばれ、代表者が卒業証書を受け取った。向井校長は、「コロナ禍の困難を乗り越えた皆さんを誇りに思う。知識や技術を磨き、社会的困難を抱えた人の力になってほしい」とはなむけの言葉を述べた。

 卒業生代表で看護学科の中岡かれんさん(21)は、「周囲に見守られこの日を迎えた。感謝の気持ちでいっぱい。人と人をつなぐ看護師を目指す。(今年のスローガンの)〝自分を磨け〟を心に刻み、社会に貢献したい」と職業人としての心構えを語った。

 同市内の保育園への就職が決まっているという西朱莉さん(25)は、「子育てとの両立で大変だったが、何とか乗り越えて介護・保育2分野の資格を取った。選択肢が増えたと考えている」と笑顔を見せた。

 6歳の長女を伴って式に参加した看護学科の岡﨑未来さん(34)は、「前職の介護現場で、急変した患者に対応できなかったことが入学のきっかけ。資格を取り、人命を救いたい」と力強く語った。公務員看護師として奄美市内の公立病院への配属を希望しているという。

 卒業生は全員、看護師や介護福祉士の国家試験を終え、今月の結果発表を待つばかり。インフルエンザ感染症で就職活動に遅れが生じた人もいたが、学校関係者は「毎年就職率は100%」と自信をのぞかせた。