市議会一般質問

「希望すれば、住み替え可能」
下佐大熊住宅老朽化問題 高層階居住の高齢者ら

 奄美市議会3月定例会は5日、一般質問を続開した。正野卓矢(チャレンジ奄美)、栄ヤスエ(公明)、﨑田信正(共産)、川口幸義(自民党新政会)、西忠男(チャレンジ奄美)の5議員が登壇し、安田壮平市長の政治姿勢などについて質問した。名瀬佐大熊の市営下佐大熊住宅の老朽化に伴い、高層階居住の高齢者が低層階への住み替えを希望していることについて、市建設部は今年1月に市営住宅管理条例の運用基準を定めた要綱の見直しなどを行い、住み替え希望者の要望に柔軟に対応する方針を示した。﨑田議員の質問に対し、藤原俊輔建設部長は「希望していただければ、すぐにでも住み替えは可能」などと答弁した。

 市によると、下佐大熊住宅は1968~73年度に13棟390戸が建てられたが、建設から50年以上が経過、老朽化が進み修繕も困難な状況になっているという。2020年度からは新規入居を停止しており、今年2月1日現在の入居戸数は273戸で117戸が空き部屋となっている。

 﨑田議員によると、居住者の高齢化が進み、階段の昇降が困難な入居者も多く、低層階への住み替えを希望する高齢者も多いという。

 こうした状況から市建設部は、これまで住み替え希望者について、新規入居希望者と同様に申し込み順としていた方針を転換し、市内にある他の空き市営住宅への住み替えを優先して行うことにした。一方、下佐大熊住宅については、老朽化が激しいことから、同住宅内での住み替えは認めない考えを改めて示した。

 避難所へのペット同伴避難については栄議員が質問。市当局は名瀬地区と笠利地区で同伴可能な避難所を設定したことを報告。住用地区についても、設置に向けて協議を進める方針を示した。ペット同伴避難所の運営については、市が設置した上で、市内の獣医師やペットの飼い主などで組織する市民団体が運営することになる。

 川口議員は住用町青久地区の石積み防波壁の市文化財指定について質問。村田達治教育長は「歴史的に価値のあるもの」などと、石積みの価値を評価。文化財指定の準備を進めていることを明らかにした。

 正野議員は休眠預金の活用について質問。市当局は、現在、市内のフリースクールが休眠預金を活用した事業を実施していることを報告。今後、さまざまな団体が活用できるよう調査研究を推進する方針を示した。

 西議員は市内の水道管の老朽化問題などについて質問。市水道課によると、現在、市内の水道管の総延長は約420㌔に上り、最も古い水道管としては1956年に敷設した2・2㌔。また、敷設から40年以上が経過した水道管の延長は54㌔で全体の12・8%にあたることを報告。年次的な更新を実施していることなどを説明した。