市議会一般質問

新年度に策定作業スタート
26年度からの新財政計画
健全化と大型事業の両立目指す

 

 

 奄美市議会3月定例会は7日、一般質問を続開、与勝広(公明)、大庭梨香(同)、弓削洋平(チャレンジ奄美)、瀧真一郎(無所属)の4議員が登壇、安田壮平市長の政治姿勢などについて質問し、4日間の日程を終えた。市の財政健全化策などを盛り込んだ財政計画については、第2次計画が(2016年度から10年間)が25年度末に期限を迎えることから、新たな財政計画(26年度~)策定に向けた作業を新年度から着手する考えを明らかにした。与議員の質問に答えた。

 与議員は、大型公共事業が今後複数計画されていることから、それらの予算規模や市財政への影響などについても質問。安田市長は「住用、笠利両地区の認定こども園整備に約25億円、市斎場の大規模改修に約66億円、子育て複合施設が約30億円」などと報告。このほか、公営住宅の老朽化対策には、年間の維持管理に1億円程度かかるほか、今後、現状の市営住宅の戸数を維持する規模で建て替えを実施した場合、100億円以上が必要となる試算などが示された。

 安田市長は、今後相当規模の予算が必要となることなどを踏まえ、「将来の人口規模などを踏まえた施設規模の精査や財源の確保、民間活力導入の可能性なども検討していく」などと述べ、財政健全化と公共事業推進の両立を図っていく姿勢を改めて示した。

 また、同市の財政状況について濱田洋一郎総務部長は、現在、市財政計画の指標をクリアしているとした上で「現計画の進捗(ちょく)を検証しながら新計画の中で、今後の具体的な財政指標の設定を検討したい」などと述べた。

 与議員は休館が続く、同市名瀬の健康体験交流施設(タラソ奄美の竜宮)の事業再開についても質問。平田宏尚商工観光情報部長は、行政が民間事業者と連携して公共施設の整備や運営方法を検討するサウディング型市場調査を実施するなど、再開にむけた取り組みを行っていることを説明。「将来的にも持続可能な施設運営ができるよう、慎重に検討を進めている」とし、理解を求めた。

 市の遊休農地の現状などについては、弓削議員が質問。大山茂雄農林水産部長は、22年度現在の各地区の遊休農地について▽名瀬140㌶(遊休農地化率31・7%)▽住用74・9㌶(同30・6%)▽笠利116・3㌶(9・3%)▽市全体331・4㌶(同17・3%)となっていることを報告。遊休農地解消の課題として、農家の高齢化や後継者不足のほか、相続未登記の農地の増加が農地集約や貸し付けを困難にしているとの認識を示した。

 大庭議員は帯状疱疹ワクチン接種の助成や更年期ケアのための支援、相談体制の整備、認知症サポーター養成のための取り組みなどを求めた。

 瀧議員は市の地球温暖化防止活動計画の取り組み状況などについて質問。再生エネルギー設備の設置推進や省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2の排出削減や適切な森林管理によるCO2の吸収量を「クレジット」として国が認証する「Jクレジット制度」の導入などを求めた。