「観光しまづくりプラン」策定

奄美群島広域事務組合が策定した「奄美群島観光しまづくりプラン」

広域事務組合 持続可能な振興目指す
「観光客と島民の満足度高める」

 奄美群島広域事務組合は8日、持続可能な観光振興を目指すことなどを目標に群島全体で実施する観光施策などをまとめた「奄美群島観光しまづくりプラン」を策定した。同プランは、「奄美群島成長戦略ビジョン2033」を上位計画とし、県や奄美群島12市町村、観光団体などの既存の計画などと整合性を図りながら、群島全体で推進する観光振興の基本的な考え方や施策を示すために策定。▽魅力▽観光客▽移動▽携わる人▽島民の暮らし―といった五つの視点から奄美群島の観光の現状と課題を整理。観光客だけでなく島民の満足度も高めることなどを目的に、観光を通した奄美群島の将来像の実現に向けた取り組みを示している。

 しまづくりプランは、奄美群島の自然環境の保全と活用や文化の継承を図りながら、持続可能な観光振興を目指すことなどを目標としており、世界自然遺産登録などの効果を、群島全体に波及させるための観光に特化した基本計画。計画期間は2024~33年度の10年間となっている。

 同広域事務組合が策定主体となり、22年度から群島各地で意見交換会や分科会を開き、地域住民や観光事業者らの意見収集を行ってきた。

 昨年8月には、群島12市町村の観光担当課長と県PR観光課、県自然保護課、県大島支庁総務企画課の担当者、群島内の観光推進団体の代表らで構成する「奄美群島観光マスタープラン策定委員会(委員長=辰島月美・宇検村企画観光長、22人)」を設置。鹿児島大や琉球大などの有識者らで組織する有識者会議の助言などを受けながら策定作業を進めてきた。

 プランは▽計画策定の背景や目的▽奄美群島の観光の現状と課題▽観光の基本的な考え方▽将来像の実現に向けた取り組み▽今後の進め方―の5項目で構成。▽地域ブランディングの強化▽魅力的な人材の発掘・育成▽群島内外の移動の利便性向上▽隣接地域(沖縄や屋久島)との連携強化―などを群島全体で取り組むべき観光施策の方向性として示している。

 また、将来像実現のための取り組みが正しく進んでいるかを判断、改善していくための評価指標として▽来訪者のリピーター率▽入域客数▽一人あたりの旅行消費額▽公共交通機関の利便性満足度▽認定エコツアーガイド数▽景観条例(計画)策定数―など22項目のモニタリング指標も定めた。

 同広域事務組合は同プランについて、広く群島民に周知するため、内容をホームページで公開している。