「宮古崎つつじウォーク」

約200人が参加した宮古崎つつじウォーク(10日、大和村国直)

初開催時に植樹されたツツジは赤い花を咲かせていた(写真は大和小3年の川上愛子さんと早川さくらさん)

パノラマの絶景楽しむ
大和村国直

 国立公園に指定されている大和村の景勝地・宮古崎一帯に自生していたタイワンヤマツツジの復活を目指す「第13回宮古崎つつじウォーク」(同実行委員会主催)が10日、同村国直公民館を発着点にあった。親子連れなど約200人が参加、リュウキュウチクに覆われた遊歩道を歩き、東シナ海に突き出た岬でパノラマの絶景を楽しんだ。

 宮古崎は、地元で「ササントウ(ササの広場・平原)」と呼ばれるリュウキュウチク(ササの仲間)の群生地。

 50年前には数万本のタイワンヤマツツジが群生し、「春になると大和浜から真っ赤に染まった宮古崎が見えた」と伝わるが、1975年頃から庭木利用などの盗掘が相次いだ。

 イベントは、絶滅の危機にあった同地にかつての風景を復活させようと、同集落青壮年団を中心に始まった。挿し木による育成場を作り、今年は30㌢ほどに成長した苗が50本用意された。

 参加者は午前10時30分頃出発。微風・快晴の中、往復5㌔の道を野鳥の声を聞きながら岬を目指した。

 今年の植樹エリアは、岬の先端近くの傾斜地。1週間前に、同集落の青壮年団が歩道を含め除草し、植樹地点は丸く整地してあったが、ササ丈が深い所もあり、参加者は足をとられながら踏み込んでいた。

 先頭で到着した勝眞一郎さん(60)、朝子さん(57)夫妻は植樹を終えると、「20年くらいしたら花が咲くところを見に来たい」と笑顔を見せ、岬の先端を目指した。

 のんびりしたペースで散策を楽しんでいた龍郷町のレイス佳奈さん(45)は、同村が実施中の宿泊・体験割引企画「WeLoveやまとそん」の宿泊先でイベントを知り、親子で参加。夫のイアンさん(50)は「風景が(母国)イギリス南西部に似ている。すがすがしい」、赤徳小4年のトオ君(10)は「ツツジの赤い花がきれい」と話した。

 眼下にサンゴ礁が広がる岬の先端では、知らない者同士がスマホで写真を撮り合い、子どもたちはササの平原を走り回り、寝そべる姿も見られた。

 散策を終えた一行は公民館に戻り、婦人会が用意したカレーライスに舌鼓を打ち、語り合うなど交流を重ねていた。