陸自水陸機動団の隊員(手前)が到着後、米海兵隊が展開した着上陸訓練(10日、知名町大山総合グラウンド)
陸自、米海兵隊による戦闘訓練が行われ、行動手順を確認した(10日、知名町大山野営場)
陸上自衛隊と米海兵隊などが参加する日米共同訓練「アイアン・フィスト(IF)24」は10日、沖永良部島で始まった。離島防衛を想定し、知名町で輸送機による着上陸訓練、地上での戦闘訓練を実施。島嶼防衛を担う陸自水陸機動団と沖縄に駐留する有事の際の初動部隊である米軍第31海兵遠征部隊の共同訓練による連携強化が図られた。
IF24は九州・沖縄を訓練地域とし、2月25日、長崎県佐世保市の相浦駐屯地で開始され、期間は3月17日まで。沖永良部島では11日まで離島奪還の一環として地域の確保を目的に水陸両用作戦を訓練。この日は12日の金武ブルー・ビーチ訓練場での本訓練の予行として行われ、11日は和泊町笠石海岸で護衛艦、偵察用ボートによる着上陸訓練を実施する。
午後2時前、同町上城にある大山総合グラウンドで開始された着上陸訓練では、護衛の攻撃ヘリなど3機とともに陸自CH―47大型輸送ヘリ2機、米海兵隊CH―53重量物輸送ヘリ1機が順に飛来。各機はおよそ5分間隔で着陸し、水陸機動団隊員29人、米海兵隊30人が地上へと展開した。
その後、水陸機動団が公道を通り大山野営場へと移動して地域を確保。続く米海兵隊とともに小銃など軽火器を携行して敵情を確認、前進する戦闘訓練を行った。
沖永良部島では初となった日米共同訓練で、キャンプなど楽しめる野営場で行われたこともあり、飛来するヘリコプターを眺める家族連れの姿がある一方、市民団体らによる訓練反対の抗議があった。同野営場には戦争犠牲者を悼む平和の塔が建立されている。