ようやく晴れ間、「龍の目」ともる

晴天に恵まれ、ようやく「龍の目」がともった(10日午後6時21分、西康範さん撮影)

龍郷町円 かがんばなトンネル

朝晩の低温、曇天や降雨、強風と冬に戻ったかのような天候が続いていた奄美地方だが、ようやく晴れ間が広がった10日、「龍の目」がともった。今年のえと・辰(たつ)を象徴するような風景は、貴重な観察の機会となったようだ。

龍郷町円集落にある「かがんばなトンネル」(全長29㍍)の夕日を撮影したのは西康範さん。西さんは「春のシーズンは2月末頃から天気次第で見ることができるが、今年は連日雨天気で、この日がおそらく春の初お目見えではないか」と話す。海に近い部分は雲が広がり、日の入り前の夕日がトンネル通過の際は雲越しの龍の目だったという。

入る位置の関係で西さんはトンネルの手前部分から撮影。天候の関係で今年の春の観察シーズンに出掛けたのは10日が最初という。観察できない状態が続いたからか、撮影を楽しみに訪れるギャラリーも10人弱にとどまった。

正面から見たトンネルの形が龍の頭のようで、夕日が入ると目のように見える神秘的な現象。春分、秋分の日前後数日間しか観察できないが、トンネル越しの雲の状態や夕日の軌道、風の具合など気象条件に左右されやすい。今季の見頃は残り1週間程度とされている。