「銀水洞」の復旧支援

今井力夫町長(中央右)から寄付金を受け取ったおきのえらぶ島観光協会の德田英輔会長(中央左)ら=14日、知名町役場町長室=

96万4千円を観光協へ贈呈
クラウドファンディング活用 知名町

 【沖永良部】昨年6月の豪雨で被害を受けた知名町にある鍾乳洞「銀水洞」の復旧を支援しようと、同町は14日、クラウドファンディングで集めた寄付金をおきのえらぶ島観光協会に贈呈した。

 銀水洞は、ケイビングツアーで使われている四つのコースのうち最も難易度が高く、入口から1・5㌔ほど進んだところに棚田のような形をした「リムストーンプール」と呼ばれるスポットがある。光を照らすと幻想的な空間が広がることから人気のコースだったが、昨年6月の豪雨で泥水が流入し、現在もツアーを開催できない状況となっている。

 豪雨被害以降、地元のケイビングガイドのメンバーが復旧に向けて、洞内に流入した泥水の除去を手作業で行ってきた。

 今回、復旧作業を支援するため、ふるさと納税制度を活用したガバメントクラウドファウンディングを行った。昨年9月4日~12月3日までの91日間で、53人から合計96万4千円の寄付が集まった。寄付金は、復旧作業を行うボランティアへの手当や資材費に充てられる。

 この日は、役場町長室で贈呈式があり、観光協会の德田英輔会長や観光協会ガイド部の東信一郎会長らが参加した。

 德田会長に目録を手渡した今井町長は「島の鍾乳洞は、長い歴史の間に作られた素晴らしい芸術品。島のものだが世界の財産でもある。豪雨で被害が出てしまったが、ケイビングのリピーターらがまた来てくれるよう以前の姿に戻してほしい」と述べた。

 観光協会ガイド部の東会長は「寄付金と一緒に支援のメッセージもたくさんもらった。町も応援してくれて感謝している。今後も定期的にモニタリングをしながら復旧作業を頑張っていきたい」と話した。