「高校生サミットin奄美」初開催

奄美群島全高校が手を結び合い初開催した「高校生サミットin奄美」

群島全高校が研究発表
大学研究者らが指導助言行う

 奄美群島の高校生が一堂に会し研究発表を行い、大学教授ら専門家の指導助言を受ける第1回「高校生サミットin奄美」が15日、奄美市名瀬の大島高校であった。同日設置宣言された「奄美群島高校探究コンソーシアム」(貴島邦伸会長)主催。島内外から11校が参加、9校10組がST(総合的な探究の時間)で取り組んだ研究成果を発表した。奄美群島を研究フィールドとする大学教授らが、専門家の立場から調査手法や課題の視点などについてアドバイス。個別に自らの知見を語り掛ける場面も見られ、生徒たちの学びの場となった。同校の1、2年生426人を含む約550人が参加した。

 同コンソーシアムは、参加する各高校が将来にわたって大学などの研究機関、企業などから支援を受け、生徒間の交流を図る体制をつくるため設置された。鹿児島大学、志學館大学、東京大学大気海洋研究所、第一工科大学が参画し助言協力していく。

 貴島会長(大島高校校長)は、「南北200㌔の点に過ぎない高校がつながり、奄美の未来と世界の未来を考える場にしていく」と力強くあいさつ、生徒実行委員長の福﨑心結(みう)さん(17)も「高校生みんなで奄美の未来を考えていこう」と呼び掛けた。

 安田壮平奄美市長は、「質の高い教育や学びにつながることを期待する」と述べた。

 エゾアワビの研究者として知られる東大海洋研の早川淳准教授が基調講演。自身が行った東日本大震災後の海の研究には高校生も参加しているなどと紹介した。

 引き続き各高校の研究発表があった。大島高校は2組が登壇、「世代間交流イベントによる健康づくり」などの取り組みを発表した。

 各高校は▽観光ツアーの企画(奄美)▽ウミウシの生態調査(徳之島)▽オーガニック農業(喜界)▽集落活性化(古仁屋)▽シマ唄の継承(大島北)▽土壌改良(与論)など、個性的なテーマでの研究成果を発表した。

 指導助言した教授らも参加し交流会も行われ、生徒らはさらなる探究への刺激を受けたようだった。

 聴講した1年の有村優羽さん(16)は、「ウミウシの研究が興味深かった。さまざまな発表に刺激を受けた」と話した。STでは、「(変わりやすい)奄美の天気を自分たちで予測してみよう」をテーマにしているという。

 貴島会長は、「コンソーシアム(共同体)を作った意義は大きい。今後も継続的に各分野のトップレベルの指導を仰ぐことになる」と語った。

 同サミットは、25年3月に第2回を開催、以降継続開催していく意向だという。