樟南二高女子寮、完成お披露目

天城町が建設、無償貸与する樟南二高女子寮の完成お披露目式=15日、同町天城、同校内

寝姿山や天城岳が一望できるリゾート施設の趣きの「食堂」

リゾート施設の趣き
天城町公設・無償貸与

 【徳之島】天城町が、町内で47年の歴史を刻んできた全国離島唯一の私立高校、樟南第二高校(同町天城)の生徒増と存続を願い、同校敷地に建設した女子寮の「完成お披露目式典」(町主催)が15日あった。「光による集中と癒し」をコンセプトに、同町名物の「寝姿山」や世界自然遺産エリアの「天城岳」などが一望できる〝リゾート施設〟の趣き。若者世代の人口増、人材育成に期待を寄せ合った。

 同町は、老朽化して入寮者ゼロが続いた同校女子寮を、魅力ある寮へ建て替えることで、町内唯一の同高校の発展と町の将来を担う人材育成に期待。島外からの入学生受け入れ態勢の確保も大きな課題となってきたため、魅力ある女子寮への建て替えに町議会の協力で進めてきた。

 規模は、敷地面積915・06平方㍍に木造平屋の延べ床面積296・13平方㍍(個室10室・寮母室・食堂)で構成。設計・工事監理は㈱奄美設計集団が担当。昨年7月に着工しこのほど完成。町費による総事業費は約1億6991万6千円。町が10年間無償で貸し付け、台風災害など大規模な修繕は町が負担する。

 お披露目式には生徒代表ら含め関係約30人が出席した。森田弘光町長は、町と同校の包括的連携協定を通じた生徒らの地域活動なども称賛し「生徒たちには、世界自然遺産の大自然、地域の伝統文化にもふれながら3年間過ごし、素晴らしい人間形成を」など期待。在校生や職員から公募選定した寮名称「Nesugata‐yama 樟南二高学生寮」も披露した。

 同校設置者・学校法人時任学園の時任保彦理事長が謝辞を述べ、「生徒や職員たちも非常に厳しい環境の中で真摯(しんし)に勉強や仕事に取り組んでいます」と感謝。奄美設計集団の山下保博代表取締役がデザインのコンセプト「光と集中と癒し」を解説し、「この寮で得られる『人としての豊かさと暖かさ』により、次なるステージに羽ばたいてもらいたい」などアピールした。

 見学希望など問い合わせは同校(電話0997‐85‐2511)。