おがみ山トンネル

おがみ山トンネルの真名津町側坑口に続く取り付け道路

 

今秋にも掘削作業着手へ
渋滞緩和、災害時迂回路に期待

 

 

 【鹿児島】鹿児島県は2024年度から、「おがみ山トンネル」の工事を本格的に開始する。7日の県議会3月定例会で工事請負契約などの議案も可決され、今秋にも掘削作業に着手する予定だ。

 おがみ山トンネルは奄美市名瀬の国道58号おがみ山バイパス事業(約1・8㌔)の中核。永田町と真名津町を結ぶ約1・2㌔のトンネルを通す。

 奄美市の主要幹線道路である国道58号は慢性的に渋滞が発生し、多発する交通事故への対策などが喫緊の課題に挙げられていた。22年1月15日深夜に奄美市内に津波警報が出された際には高台に向かう車の渋滞も発生した。県道路建設課は「交通混雑の緩和、交通事故の減少だけでなく、災害時の迂回路確保などの効果も期待される」としている。

 02年にスタートしたおがみ山バイパス事業は、一部住民の反対などもあり09年度から中断していた時期もあったが、19年度から再開。県議会3月定例会では契約金額約75億1500万円とするトンネル工事の請負契約議案などが可決された。

 県は29年度までをバイパス事業の工事期間としており、期間内での完成と供用開始を目指してている。