天城町農業センター「春の苗もの市」好評

今年も好評だった天城町農業センターの「春の苗もの市」=17日、同町瀬滝
  初開催のミニトマト収穫体験も家族連れの人気を集めた

切り花・トマト収穫体験も人気

 【徳之島】天城町農業センター(同町瀬滝)恒例の「春の苗もの市」が18日、同センターであった。農業研修生や町内の農家たちが丹精を込めて育苗した野菜や花木類の苗を安価で放出した。トルコギキョウの切り花やミニトマト収穫体験コーナーも人気を集め、町内外から508人が訪れた。

「農業の島(徳之島)」にありながら、野菜や草花類の苗の大半が島外産に依存されていた現状を憂慮し、地元の育苗農家の育成、地場産苗の供給促進、家庭菜園など自給野菜栽培の普及も通じて農業への関心も高めようと同町農業センター(町農政課直営)が開始して9年目。農業者のみならず一般の園芸愛好者まで幅広い支持を集めている。

販売会は同センターも研修生や職員のほか、町内の育苗農家など5戸が協賛。育苗ハウス内の各ブースは、ピーマンやミニトマト、キュウリ、カボチャ、トウガラシ、ニガウリ、ナス、オクラといった野菜苗をはじめ、春の色彩に包み込んだマリーゴールドやニチニチソウなどの草花苗も所狭しと展示。徳之島、伊仙両町からの買い物客たちの姿も目立った。

苗類の直売と並行して収穫体験コーナー(トルコギキョウ7本500円、ミニトマト1パック200円)も登場。初のトマトコーナーは若い家族連れにも大好評だった。

60歳代の娘の案内でかくしゃくと今年も訪れていた中原ノリさん(97)=同町天城=は「健康づくりも兼ねて家庭菜園を楽しみながら、収穫できた野菜やお花は本土に住む子や孫たちに送るのも生きがいです」とほほ笑んだ。

同センターの黒橋由加里所長は「皆さんが買った苗を手に、生き生きとされているお顔を拝見できてうれしい。私たちにはそれが大きな収穫。今後も職員たちと考え少しでも前へ高く歩みたい」と話した。