デジタルで子どもに居場所

開所式であいさつする林代表(中央)

 

施設見学でデジタル機器を楽しむ参加者たち

 

 

PCやVRで自由に創造的に
「デジタルベースMINE」奄美市で開所式

 

 子どもたちがデジタル機器を自由に使いながら過ごす第三の居場所「デジタルベースMINE」が20日、奄美市名瀬伊津部町に開所した。市内のNPO法人フリースクールMINE(林花穂(かすい)代表理事)が運営し、子どもに関心の高いデジタル機器を入り口に新たな居場所を提供。テクノロジーを通じて創造的に活動することで、自分らしさや自己実現力を育んでいく。

 デジタルベースMINEは、同町銀座通りにある四季ビル1階にオープン。3Dプリンター、デジタルイラスト、デスクトップミュージック、プログラミング、VRなどを操作するデジタル機器やパソコンがあり、ゲームで遊んだり、もの作りを楽しんだりと、子ども自らが才能や特技、やりがいなどを見つけていく。

 林代表理事は、2021年に市内初のフリースクールを立ち上げ、不登校や引きこもりの子どもたちの居場所作りを実践してきた。活動を通じてデジタル機器に興味を持ち、元気を取り戻す子どもをたびたび目にしてきたことで設立を決めた。

 準備にあたっては、デジタル教育分野の取り組みを推進するNPO法人みんなのコード(東京都)とREADYFOR㈱(同)が運営する休眠預金活用事業「デジタルテクノロジー×居場所創造事業」から助成を受けた。利用対象は10~18歳で、費用は無料。スタッフ2人が常駐し、1日20人程度の定員を想定している。

 式には、地元行政や議員、商店街関係者ら約40人が参加し、開所を祝福した。林代表理事はあいさつで、「デジタルでつなぐ場。子どもたちが熱中し安心して過ごすことで、元気になれる場を提供することが目的。フリースクールへの理解が進んでないなど課題はあるが、活動する子どもたちをともに支えてほしい」と決意を述べた。

 安田壮平奄美市長は「子どもたちがやりたいこと、目指したいことを見つけ、出会いと活力、希望を生み出す場になることを期待している」と祝福。市通り会連合会の森幸一郎会長は「テクノロジーを通じて、子どもたちが未来を切り開く場になってほしい」と期待を込めた。

 開館時間は、火・水・木曜日(午前10時~午後6時)、土曜日(午後1時~同6時)。利用は登録制で、申し込みや親の許諾が必要になる。

 問い合わせは、同法人電話0997・57・1390、Eメールdbmine201@gmail.comへ。