大島地区3月子牛競り

前回上回り48万円
軟調傾向予想「商品性高い子牛づくりを」

 JA県経済連肉用牛課奄美市駐在は22日、3月の大島地区子牛競り市結果をまとめ、公表した。子牛市況の総平均は48万892円で、前回(今年1月)比2万2954円上回り、50万円台には届かなかったものの上昇が続く。体の伸び・深みのある子牛などは高値基調状況は変わらないことから、「商品性の高い子牛づくり」を呼び掛けている。

 3月競りは2日の与論市場から開始、8日の喜界市場で終了した。全体の入場頭数は1910頭(雌829頭、去勢1081頭)で全て売却。平均価格は雌39万7778円(前回比3878円高)、去勢54万4630円(同3万5654円高)といずれも上昇した。競り市は予定通りの日程となったが、天候により船便の欠航や積み荷の影響で輸送コンテナ不足が発生して子牛積み出しが購買者の希望通りに進まず、対応に苦慮したという。

 合計平均価格にかかわる市場ごとの順位をみると、与論の50万4610円を筆頭に、沖永良部、徳之島、奄美大島、喜界の順。購買者から見た子牛評価の指標である平均単価(キロあたり)で市場を格付けすると、与論の1903円を筆頭に、沖永良部1818円、喜界1775円、徳之島1709円、奄美大島1656円の順。競り日齢にかかわる市場ごとの若齢順位は、喜界258日、与論263日、沖永良部264日、徳之島267日、奄美大島268日の順となっている。

 子牛相場が上昇した要因について、同駐在は▽肥育農家にとって3月に仕入れた子牛は枝肉の最需要期の年末に出荷できる▽マルキン(肉用牛肥育経営安定交付金)の発動や年明け以降も枝肉相場が持ちこたえた―などを挙げる。ただし今後の見込みは、牛枝肉相場等の影響を受けて軟調傾向が予想され、商品性によっては価格差が拡大するとみられるという。

 同駐在は「体の伸び・深みのあるもの、前躯(ぜんく)のしっかりしたもので血統の良いもの、産歴の若いものは高値基調である状況は大きく変わらない」として、生産農家も子牛相場や資材高騰などの影響で利益確保が難しい状況だが、「手を加えれば加えただけ子牛は返してくれる。日頃の管理をしっかり行い、商品性の高い子牛づくりに励んでもらいたい」としている。