安田壮平奄美市長(右)はオスプレイの運用再開について九州防衛局の遠藤敦志企画部長(左手前)から説明を受けた(28日、奄美市名瀬)
昨年12月2日、屋久島沖墜落事故の救難活動を目的に奄美空港に着陸した米軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイ
昨年11月に屋久島沖での墜落事故を受け運用停止後、今月14日に飛行を再開した米軍輸送機オスプレイについて28日、九州防衛局の幹部が奄美市役所を訪れ、安田壮平市長に対し事故原因や再発防止策などを説明した。安田市長は「一定の理解は進んだが、完全に疑問、不安が払拭(ふっしょく)されたわけではない」と話した。
防衛省は13日、同事故に対し、部品の不具合が原因だったとする、整備手順の変更など再発防止策を公表。市は同日、同防衛局から国内のオスプレイの段階的な運用再開に関する情報提供を受けたことに対し、22、25日に直接の説明を要望していた。
説明の場は非公開。報道陣の取材に対し、九州防衛局の遠藤敦志企画部長は「(公表済みの)資料を基に、現時点で説明できる事故原因の特定、安全策について可能な限りお話した」とし、「米軍の事故調査委員会の報告書が出た際には、しっかり説明させていただく」と話した。
安田市長は説明に対し「われわれが求めていた事故の原因究明、再発防止、安全対策の徹底について一定の理解は進んだが、完全に疑問、不安が払拭されたわけでない」とし、「事故報告書が公表され、対応されたとしても引き続き安全に運航できるのか。今後の(運航)状況を見ないと何とも言えない」と語った。
今後のオスプレイの運用については「段階的に活動範囲を広げていき、すぐに奄美群島に飛んでくるわけではない」と説明を受けたとしながら、「仮に奄美に飛行した際、低空飛行や市街地、民家上での騒音、振動など迷惑を被っているので避けてほしいと伝えた」と、これまでの市の要望を繰り返し伝えたことを明かした。
また、同防衛局は奄美市のほか県庁、鹿屋市、屋久島町でも説明を行っているが、安田市長は「(訪問は)評価すべきではあるが、あってしかるべき」と述べ、最終的な事故報告書が出た際、同防衛局が再訪問することを確認した。
奄美市は昨年12月2日、米海兵隊のオスプレイが同事故の救難活動などを理由に奄美空港を使用した際、同防衛局に対し離発着について、同21日には飛行停止に関する申し入れをそれぞれ行っている。