島バナナリキュール誕生

鹿大生が開発した沖永良部産島バナナを使ったリキュール「BASHAMU no」

沖永良部研究から開発
鹿大生が起業し3月発売

 沖永良部島でとれた島バナナを使ったリキュール「BASHAMU no(ばしゃむの)」が発売され注目を集めている。20日、奄美市名瀬の奄美川商ホール(奄美文化センター)で行われた「第1回ぐ~んとマーケット」で同時開催された「2023年度奄美島一番コンテスト」(奄美群島観光物産協会主催)で食品部門・優秀賞を受賞、4月中旬頃から龍郷町の総合スーパー・ビッグツーで販売されことが決まった。

 試飲した人が口々に「ほのかにバナナを感じる大人の味」と評したリキュールを開発したのは鹿児島大学法文学部4年の宮田陸さん(23)。

 2021年から3年間、同島における大学での関連研究を行った際、島のあちらこちらで目にした島バナナに着目し商品開発に着手、今春商品化にこぎつけた。商品名は同島でバナナを意味する方言から名づけた。23年6月に自身が起業した「㈱novelio」で販売を行う。

 「小笠原種」とされる島バナナは、バナナセセリやバショウオサゾウムシによる食害、台風による影響で生産量も少ないことから、島内で消費する以外は、観光客やネットでの販売に限られていた。

 宮田さんは、余剰が発生する島バナナの活用で、同島の認知度や魅力度の上昇につなげられるのではないかと試行錯誤を重ねた。サトウキビを原料とするホワイトラムと相性がいいことに気づき、指宿市の酒造会社㈲大山甚七商店と共同で商品化した。

 同商店が造る国産のクラフトラム「ACOU (アコウ)RUM WHITE」の原酒(65度)に島バナナを漬け込み、香りを引き出したリキュール(33度)が出来上がったのは同マーケット開催直前だったという。

 宮田さんは「商品化にあたり1㌧弱の島バナナを仕入れた。世話になった島の生産者に少しは寄与できたのではないか」と話した。将来的には、奄美群島各地の島バナナを使った別ブランドの製品化も視野に入れているという。

 現在は、知名町のおきのえらぶ島観光協会などで販売されているほか、同社のホームページから購入することができる。500㍉㍑入り4950円(税込み)。2本以上の注文で送料は無料。