大島、5季ぶり8強入り

【3回戦・大島―頴娃】8回無失点と好投した大島のエース田中=平和リース球場

頴娃を完封
春高校野球第9日

 【鹿児島】第154回九州地区高校野球大会鹿児島県予選第9日は30日、鹿児島市の平和リース、鴨池市民両球場で3回戦4試合があった。

 奄美勢の大島は頴娃に6―0で完封勝ちし、5季ぶりの8強入りを果たした。

 第10日は31日、両球場で3回戦4試合がある。

 【評】大島は二回裏、二死二塁から7番・田中の中前適時打で先制。三回は3番・要主将の左越え二塁打、4番・永田の犠飛で2点を追加した。先発したエース田中は再三走者を出すも丁寧な投球で守備のリズムを作り、八回まで相手打線に三塁を踏ませなかった。打線は四回以降、相手左腕を打ちあぐねたが、八回裏に5安打を集中して3点をダメ押した。九回は中村が三者凡退で切り抜け、大島が完封勝ちした。

【3回戦・大島―頴娃】3回裏大島1死3塁、4番・永田が犠飛を放ち3点目=平和リース球場

チーム一丸、束になって戦う
大島

 コールド勝ちは逃した大島だが、今大会初の完封勝利で8強進出。小林誠矢監督は「チーム一丸束になって戦えた」と振り返った。

 守備面の安定感が回を追うごとに増していた。エース田中が尻上がりに調子を上げて、守備のリズムを作る。「ストライク先行の投球だったので、守備位置もあらかじめ動かしやすかった」と要彌真登主将。走者は再三出したが、最後まで三塁を踏ませなかった。

 打線は幸先良く序盤で3点を先取したものの、中盤は緩急を駆使した相手の左腕エースを打ちあぐねた。「中心打者が打ち上げてしまって、うまく攻められなかった」(要主将)。

 このまま終われば大いに反省が残るところだったが、終盤八回に修正力を発揮する。先頭の4番・永田が初球を強振して中前打。チームで掲げる「低い打球でセンター返し」(要主将)の「お手本」を主砲が示したことで、打線に火がつき単打のみで5安打を集中して3点をダメ押した。

 準々決勝の相手はれいめい。昨秋準優勝の第1シードであり、大島が1回戦で完封負けした因縁の相手だ。冬の間、「0―3」のスコアをホワイトボードに書いて、悔しさを忘れないようにした。「この冬やってきたことを全員でぶつけて勝ち切りたい」と要主将。小林監督は「気負わず、全員で束になって、粘り強く戦う」と雪辱戦への意気込みを語っていた。

(政純一郎)