神事を終えお披露目となったアートベンチ(31日、御殿浜公園)
海の環境保全願い
一村キッズクラブら制作
奄美市・御殿浜公園
奄美中央ロータリークラブ(上堀内ちあき会長、会員64人)は31日、奄美市名瀬の御殿浜(うどんばま)公園に設置したアートベンチの完成を祝し、お披露目と「清めはらいの儀」をした。ベンチの制作に中心的な役割を果たした「一村キッズクラブ」(小中高生17人)のメンバーなど約40人が参列、神事が厳(おごそ)かに執り行われた。設置されたベンチには、「海はたからばこ」「多様な生命かがやく」「つながっている地球」と子どもたちの自然への思いが刻まれていた。
同クラブは、奄美大島で晩年を過ごした画家・田中一村の功績を学ぶ目的で2020年に結成。継承活動を中心に、美術を通したボランティア活動なども行っている。
ベンチは、世界的な海洋汚染が広がらないことを願い、同RCの「環境保全×アートプロジェクト」として2月に完成した。床のタイルアートは同クラブが中心になって制作し、ベンチの背の部分にはめられたパネルは、輪内保育所の子どもたちが描いた絵が使われている。
神事を行ったのは、同市名瀬にある高千穂神社の當郷裕之宮司。祝詞(のりと)を奏上しベンチの清めはらいを行った。海側に設置された3基のベンチの除幕式が行われ、御影石の重厚な姿とともに、カラフルなタイル模様が現れた。
上堀内会長は「おがみ山、立神が見えるこの場所と海の環境をみんなで守っていこう」とあいさつ。
制作に参加した名瀬信愛幼稚園の金城糸夏ちゃん(5)は「お姉ちゃん、お兄ちゃんと一緒にタイルでお魚を作った。まだ座っていないので、自分で作った椅子に早く座りたい」とあどけなく笑った。