過去最多の161匹

23年度奄美大島ノネコ捕獲数
全島展開へエリア拡大

 環境省奄美群島国立公園管理事務所、奄美大島ねこ対策協議会(事務局・奄美市世界自然遺産課内)は2日、ノネコ管理計画に基づく捕獲状況及び捕獲後の対応状況をまとめ、公表した。2023年度(23年4月~24年3月)の捕獲数は161匹で、過去最多となった。全島展開に向けて捕獲作業エリア拡大が増加につながっており、24年度は新規に龍郷の北西部も加わる。

 ノネコの捕獲は生態系の保全を目的に、環境省と県、島内5市町村が策定したノネコ管理計画に基づき18年7月に開始。年度まとめの捕獲数は初年度となった18年度(7~3月)が43匹、19年度125匹、20年度27匹、21年度124匹、22年度101匹と推移。23年度は前年度を60匹上回り、これまでで最多だった19年度より36匹多い。

 23年度の月別の推移は、11月以降2月まで4か月連続で増加していたが、3月は10匹となり、2月を22匹も下回った。3月は捕獲数のうち9匹を譲渡しているが、年度まとめでは159匹を譲渡しており、現在の収容数は1匹となっている。

 捕獲数が過去最多となったことについて同省は、捕獲作業エリアの拡大を挙げる。今年1月から名瀬の周辺(浦上地区や朝戸トンネルの上など)を新たに加えたが、23年度は継続地域を含めて14地域で展開。捕獲エリアは、これまでの島南西部に、宇検村北部と奄美市名瀬の下方地区、中心市街地の一部を新たに加えた約498・8平方㌔㍍となった。

 捕獲作業の未着手地域は残り7地域。24年度は現地域との連続性などに配慮し、龍郷、秋名、崎原の3地域で着手。25年度中に残りの赤尾木、節田、赤木名、西古見の4地域で展開する見通し。

 なお、ノネコの発生源となる飼い猫とみられるネコの捕獲数は23年度が最多の14匹。これまでの合計は34匹で、このうち21匹は飼い主に返還された。

 奄美大島対策協では、捕獲されたノネコの譲渡対象者として認定を希望する個人または法人を随時募集している。