「民謡の甲子園」で最優秀賞

奄美民謡「よいすら節」を歌い見事グランプリに輝いた時岡優里菜さん=提供写真=

時岡さん(奄美市)「よいすら節」で
日本民謡ヤングフェス

日本の文化遺産「民謡」の継承を目的に、1991年から始まった「日本民謡ヤングフェスティバル」(全大阪みんよう協会主催)が3月30日、大阪市の此花(このはな)会館梅香殿で開催された。全国から41人の実力者が出場する中、奄美市名瀬の時岡優里菜さんが「よいすら節」を歌い、最優秀賞のグランプリを見事受賞した。ほかにも優秀賞に「徳之島節」を歌った大阪府の岡美里さんが選出され、コロナ禍で5年ぶりとなった通称「民謡の甲子園」を奄美民謡が魅了した。

出場は16~35歳の若手世代が対象で、北は北海道から南は奄美群島まで全国の実力者がエントリー。審査は「歌唱力」「表現力」「タレント性」「唄ごころ」―など採点。グランプリ・優秀賞の入賞者へは産経新聞社主催「産経民謡大賞」本選シード権が進呈された。

初出場での快挙を成し遂げた時岡さんだが、シマ唄との出会いは4歳の時。3月に県立大島高校を卒業するまで、今大会ほか民謡民舞九州地区大会(22年)で総合優勝を果たすなど数々の賞を受賞している。

28回目を迎えた今大会では「奄美民謡」を歌う「唄者」4人が出場し、時岡さんは第47回全国高校総合文化祭(23年)の開会式でも披露した「よいすら節」で挑戦。「本番前、不安や緊張があったが奄美民謡を歌う出場者同士で励まし合った。関係者のサポートのおかげで、自分の力を最大限に発揮できた」と笑顔で振り返った。

4月から奄美看護福祉専門学校(看護学科)に進学。時岡さんは「学業との両立は大変だと思うが、幅広くいろいろな曲を歌えるよう学んでいきたい」とシマ唄への希望を語った。