山下早紀さんが奄美市で個展

作品を前に「とにかく楽しんで」と話す山下早紀さん

人と街のにぎわい精緻に
鹿児島市のイラストレーター

 鹿児島市在住のイラストレーター・山下早紀さん(26)による個展が2日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA2階マチナカギャラリーで始まっている。細部までを精緻(せいち)かつ丁寧に描いた作品で、人と街が織りなすにぎわいや活気を楽しく伝えるイラスト31点が並んでいる。7日まで。

 山下さんは鹿児島出身。音楽家である両親の影響からか、幼少期からオーケストラのような人が集まる絵を好んで描いてきた。20歳になった2018年には個性的な画風が話題になり、地元テレビ局で「気鋭のアーティスト」として特集も組まれた。現在は、自身のブランド「Saki’sCorner」を立ち上げ、デザイナーとしても活躍。個展は、奄美出身の母・早穂子さんが昨年12月に同施設で開いたピアノリサイタルを機に実現した。

 展示では、20歳から描きためてきた作品31点が並ぶ。旅行した時の記憶をたどって構想した「東京駅Ⅱ」では、東京駅のレトロな外観を背景に、50人を超える人の物語を描いた。記念撮影をする人、道を行き交い会話を楽しむ人、バスツアーに興じる旅行者など、一人一人の表情や服の模様、身体の動きまでを、繊細かつ彩り豊かに表現した。

 イラストはカラーマーカーで作成し、いくつかの絵には、ユニオンジャック柄のバッグを抱える作者も潜ませた。山下さんは「人の多い場所が大好き。街の楽しい様子を少しでも感じて」と話す。

 会場では、イラストを生かしたポストカードなどのグッズも販売。観覧時間は午前10時~午後7時で、入場無料となっている。