台湾の友好都市支援へ

龍郷町役場内に設置された義援金箱(4日)

花蓮沖地震で龍郷町
義援金箱設置、見舞い電報も

 3日発生した台湾東部・花蓮沖を震源とするマグニチュード7・2の地震発生を受け、花蓮県の北に隣接する宜蘭(イーラン)県宜蘭市と友好都市の関係にある龍郷町は、支援の動きを急ピッチで進めている。4日午後、東京出張から帰庁した竹田泰典町長は関係部署を招集し対応を協議。福岡にある台湾の外交代表機構に見舞いの電報を打ち、役場とりゅうがく館の2か所に義援金箱を設置した。今後は、同市の被害情報の収集に努め支援を図っていく。

 日本時間3日午前8時58分に発生した台湾東部・花蓮沖を震源とする地震は、建物の倒壊や落石などにより被害が拡大している。台湾メディアは、大きく傾き倒壊寸前のビルや、山あいの道路を走る自動車に巨大な岩が直撃する映像を連日放映、地震の規模の大きさを伝えている。

 花蓮県の北に県境を接する宜蘭県でも最大82㌢の津波が発生、震度5強を記録した。

 宜蘭は、龍郷町で3年間を過ごした西郷隆盛と愛加那の長男・菊次郎が、外務省勤務を経て支庁長を務めた場所。

 3月に公演された青少年ミュージカル「KIKUJIRO」の第2部は、菊次郎の当時を描いており、同町にとってもゆかりの深い場所。2018年には、同市と「交流宣言」を行い、現在は友好都市となっている。今夏には、舞台を務めた中学生などを同市へ派遣し、現地の中学生と交流を図る計画が進められていた。

 企画観光課の担当者は「被害情報の収集に努めているが、連絡がつかず苦慮している」と対応に追われていた。

 予定を1日早め東京出張から帰庁した竹田泰典町長は「福岡の台湾分処(台北駐大阪経済文化弁事処福岡分処=領事館級の外交代表機構)に見舞いの電報を打った。分処でも現地の詳細な状況が分からないとのことだった。友好都市である宜蘭が心配でならない。今は義援金をどこに贈っていいかもわからないが、最大限の支援に努める」と話した。