「たつごうてくてくオープンガーデン」

コイの泳ぐ庭の池には紫のアイリスが咲き入場者の目を楽しませた(6日、同町浦の重原義和・廣子さん宅)

 

 

春の花園楽しむ
愛好家は庭造り談議

 

 趣味でガーデニングを楽しむ花の愛好家らが自慢の庭を一般開放する「第5回たつごうてくてくオープンガーデン」(同実行委員会主催)が6日、龍郷町各地で始まった。色鮮やかな花や、個性的な花木との出会いを楽しみにしていた愛好家らが朝から続々と訪れ、花の名前や育て方を尋ね、庭造り談議に花を咲かせるなど温かな交流の時間を過ごした。

 同企画は2018年にスタート。コロナ禍による2度の中止などを経て、今回は5年ぶりの通常開催。新規参加2庭を含む12庭のオーナーは、開催に合わせ雑草の除去や庭木の剪定(せんてい)などに汗を流し、手入れの行き届いた庭を作り上げていた。

 同町浦の宿泊施設併設型「エスポワールガーデン」の坂下望美さん(62)宅は、アーチ状のゲートにブーゲンビレアがピンクの花を咲かせていた。

 愛くるしいパグ(犬)の親子が網戸越しに来訪者を出迎えていた「Wellcomeガーデン」の得かち子さん(72)宅は、白いオルレアの花が満開。シンボルツリーの熱帯花木プルメリアは裸の状態だったが、得さんは「6月末に葉が出て、黄色い花は10月まで楽しめる」といい、「時期が来たら散歩しながら眺めてほしい」と話した。

 敷地面積約1500平方㍍の重原義和さん(79)、廣子さん(77)宅は圧巻。道路から庭へ入るエントランスはホウライチク(蓬莱竹)の垣根。大きな池にコイが泳ぎ、紫の花が咲き誇っていた。先代が作った庭のため「アヤメかショウブか種類も分からなかった」(義和さん)というが、入場した愛好家から「アヤメ属のアイリス」だと教えてもらったという。

 庭の一角には同町秋名集落から移築したという高倉も。義和さんは「以前は脱穀した稲の収蔵庫だったが、今はルリカケスの巣になった」と笑顔で話した。 

 奄美和風庭園を目指しているという玉里集落の「みれいの家ガーデン」は、平島佐津代さん(75)が30年以上かけ一人で作り上げた。

 福岡から帰郷していた長女・秋吉華子さん(50)は「中学で引っ越してきた時は何もない砂地の庭だった。帰省するたびに庭が華やかになっていく。母を誇りに思う」と話した。

 孫の里咲(りさ)さん(19)の兄が生まれる頃に植えたアダンは、小さな苗が4㍍を超す大木に育ち実をつけていた。

 佐津代さんは「来場者は大きな花に目を奪われるが、私は足元に小さく咲くハクチョウゲがお気に入り」と話した。

 オープンガーデンはきょう7日も午前10時から午後5時まで行われる。料金は500円。