受賞者たちと記念撮影に臨む大江さん(前列左から2人目)。円内は審査委員長として解説する大江さん
【東京】蒸留技術の第一人者で、元東京奄美会会長の大江修造さん(85)がこのほど、千代田区で行われた審査委員長を務める理工系学生対象の贈賞式に出席した。大江さんは、式で総評を述べるとともに未来を担う若者へエールを送っていた。
元東京理科大学教授(理学部応用化学科)で、蒸留の専門家でもある大江さんが出席したのは「第24回理工系学生科学技術論文コンクール」(日刊工業新聞社、モノづくり日本会議主催)。文部科学省、国立高等専門学校機構が後援、三菱商事が協賛、賛助・プリコとなっている。
「科学技術と日本の将来」と主題がある同コンクールの贈賞式は、3月22日に市ヶ谷のホテルで開催された。今回は工業高専、大学、大学院計39校から60編の応募があった。その中から厳選された13編をさらに審査委員らが読み込んで、入賞作品が決定されたもの。日刊工業新聞社代表取締役社長の井水治博さんがあいさつ。続いて大江さんが登壇し、「AI(人工知能)を教育・障がい者支援・観光など、広範囲の問題に応用したものが見られるようになった」と応募論文について語り、独創性・将来性・論理性に優れた論文6編について解説した。また「若者の将来に対する希望が熱く述べられており、頼もしい限りであった」と付け加えた。
その後、写真撮影、懇親会に。意見を交わす学生に頼もしそうな視線を送る大江さんは、審査委員長に就いて10年以上になる。
盛山正仁文科相(徳之島2世)からは、祝電と合わせて、来賓あいさつ(代読)が届けられた。
受賞者は次の通り。(学部・学科・学年、敬称略)
最優秀賞・文部科学大臣賞=松山峻大(滋賀医科大学)▽優秀賞=鈴木凜(京都大学大学院)、鶴嶋真紅(福岡工業大学大学院)▽特別賞=女屋あづき(国際基督教大学)、蕪木太雅(新潟工科大学大学院)、高瀬大河(東北大学)