伊仙町・馬根小

複式学級の維持にも貢献し祝福される「結い結い留学」の木本結子ちゃん(前列中央)=8日、伊仙町馬根小

「結い結い留学」で結子ちゃん迎え入学式
複式学級の維持にも貢献

 【徳之島】伊仙町立馬根(ばね)小学校(畑隆宏校長)で8日、町教育委員会の「結(ゆ)い結い留学制度」(家族型)で埼玉県出身の新1年生1人を迎えて入学式が今年も実現した。児童数12人の学級編成バランスで複式学級の維持にも貢献。小さな胸をときめかせながら祝福のエールを浴び、学校生活の一歩を踏み出した。

 徳之島3町の今年度小学校入学児童数は245人(徳之島町110人・天城町75人・伊仙町60人)。馬根小と天城町立西阿木名小三京分校ではそれぞれ留学生の新1年生1人ずつを迎えた。

 少子化が加速する中、伊仙町教委は児童生徒数の確保、地域活性化対策などの一環で2023年度に「結い結い留学制度」を創設。2年目の今年度は8日現在で計5組(家族)の児童生徒計7人が馬根小、阿権小、伊仙中に転入・在籍する。

 緊張を隠せない表情の中に、馬根小の新1年生は木本結子ちゃん(6)。入学式会場の体育館では留学2年目の次兄(5年生)を含む在校児童や保護者、校区住民など35人が祝福の拍手で迎えた。

 畑校長が式辞で「三つの約束①あいさつ②なかよく③いのち(お父さん・お母さんからいただいた大切な自分の命を守る)。やる気いっぱい・元気いっぱい・笑顔いっぱいの〝ばねっ子〟になりましょう」と呼び掛けたのに対し、結子ちゃんは声高らかに「はいっ!」と応じ、称賛の拍手を浴びた。

 町教委告辞(伊田正則教育長)や町長(代読)、PTA会長らお祝いの言葉に続き、児童代表の常隆貴君(6年)が楽しい学校行事などの紹介も交え、「みんなが笑顔になる楽しい馬根小をつくっていきましょう」とエールを送った。

 結子ちゃんの母・和美さん(42)によると、昨年4月、埼玉県ふじみ野市から家族4人で馬根小校区へ転入。「島留学に関心があった。地域の方々はとても温かく、いろんな自然体験もできて〝心の学び〟が得られる。結子は勉強も好き。伸び伸びと自分を発揮できる学校生活を送ってほしい」と目を細めた。

 馬根小は昨年、校区外からの通学を認める特認校制度で3年ぶり入学式が実現し、今年度は留学生で継続。留学生(木本兄妹2人)によって学級編成は1・2年生、3・4年生、5・6年生それぞれ4人ずつ3学級の複式学級を維持した。伊田教育長は「変則学級(2学級)に陥ると教頭も担任兼務となり職員削減になる。地域活性化のためにも維持が大切」と話し、木本さんら留学家族に感謝した。

 ちなみに同留学制度には家賃補助(月額上限3万円)、児童生徒助成金(同1人3万円)などを盛り込んでいる。