「財務本省理財局・地域課題解決よろず支援」として開催される奄美群島活性化応援セミナーのチラシ
財務省理財局は今月24日、奄美市と共催で「奄美群島活性化応援セミナー」を開催する。同局では地方公共団体に対し融資している各財務局を通じて課題やニーズを把握している中、今回のセミナーを単発で終わらせるのではなく継続的な支援へ「財務本省理財局・地域課題解決よろず支援」制度を創設。セミナーを「よろず支援」の第1号と位置付けている。
同局計画官の大江賢造氏(47)の企画で実現。大江氏は、東京奄美会会長を務めた修造氏の長男で、奄美3世(龍郷町)になる。1999年大蔵省(現財務省)入省。大臣官房、主計局、アジア開発銀行などを経て2022年から現職。大江氏は「古里に貢献できるポスト(計画官)であり、仕事として奄美群島の活性化支援に取り組むことができる」と話す。
「離島の活性化、課題解決」をテーマにしたセミナーは午後1時30分から奄美市役所5階大会議室で開く。対面・オンラインのハイブリッド開催になり、Zoomによるオンライン配信で参加できる。講演で講師を務めるのは、㈱民間資金等活用事業推進機構・官民連携支援センター長の中嶋善浩氏、㈱大和総研主任研究員の鈴木文彦氏、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構・共有船舶建造支援部参与の齋藤徳篤氏。演題は中嶋氏が「離島におけるPFI(民間資金を活用した社会資本整備)の活用について」、鈴木氏が「公民連携で描く観光活性化のヒント」、齋藤氏が「船舶共有建造制度と離島航路旅客船への支援」。オンライン定員100人(参加費無料)、申し込み締め切り16日。申し込みメールアドレスはkagoshima.soumuka@ks.lfb-mof.go.jp、問い合わせ先は九州財務局鹿児島財務事務所総務課電話099・808・9618。
セミナーで取り扱うテーマは▽離島におけるPFI活用▽観光活性化▽離島航路支援―など。講師陣をオンラインではなく奄美に招聘(しょうへい)することで島内の首長など行政関係者、経済界の代表などとの対面での意見交換、交流が可能となる。大江氏は「以前から安田壮平市長をはじめ奄美群島の方々と交流があり、奄美市の協力を得ながら、この機会に離島の課題を可能な限り包括的に、重点的に扱おうとセミナーを企画させていただいた。奄美市との共催だが、群島全体をテーマにしており、多くの皆さんが参加してほしい」と呼び掛けている。
住民生活に密着した社会資本整備や災害復旧などのニーズに対応するため、理財局では地方債計画に基づき、地方公共団体へ財政融資資金を供給している。その際、九州財務局など全国にある財務局は各市町村の財政担当課へのヒアリングを実施し、各市町村の財政状況を把握。これに基づき地方公共団体の課題・ニーズへの支援を通じ地域貢献を目指しており、今回の奄美市でのセミナーを「財務局ベースではなく本省が主体となって積極支援する、地域課題解決よろず支援の第1回目と考えている」(大江氏)。
よろず支援の具体的内容として、セミナー開催等にかかわる相談、セミナーデータベースの共有、講師のあっせん・新規開拓(財務本省のネットワークも活用し、講師をアレンジ)、理財局主催・共催によるセミナー開催―を掲げている。