北海道から与論まで「希望」胸に

大島高校に入学した(左から)加藤侑征さん、内藤繋さん、白石結奈さん(9日、奄美市名瀬)

「文武両道」「春高バレー」「甲子園」 大島高入学

 今年度で123周年を迎えた、県下で5番目の歴史を持つ奄美市名瀬の県立大島高校。2024年度の入学者は225人を数え、うち県外(東京、北海道在住)から計2人が、与論町からは数年ぶりに1人の新入生がそれぞれ入学。同校伝統の「文武両道」の精神が島内外出身の新たな生徒たちにより、今年も継承される。

 同校によると2020年度以降、県外からの入学者は1、2人を推移。親の転勤に伴う入学以外にも、自ら志願して進学を決める県外出身者も少なくないという。東京都杉並区出身の内藤繋(けい)さん(15)は祖父が大和村、祖母が喜界町出身で奄美と縁がある中、小4から始めた野球への思いとともに野球部入部、単身寮生活を決意。「自分が成長できる環境だと思った。野球部では内野手として甲子園に出場したい」と3年間の希望を語った。

 自衛官である瀬戸内町古仁屋出身の父親の転属を理由に、同校への進学を決めた沖縄県八重瀬町出身の加藤侑征さん(15)は3月までの2年間、北海道新ひだか町に在住。内藤さん同様、野球部入部を志願し、「文武両道、そして投手として甲子園を目指したい」と力強く述べた。

 「島から春高(全日本バレーボール高等学校選手権大会)に出場するのが夢」と語ったのは、与論町立長出身の白石結奈さん(15)。小1からバレーボールを始め、進学の決め手は「大島高校のバレー部の見学をした際、先輩方が楽しそうで積極的に練習していたのが印象にあったから」。ポジションはスパイカーだという白石さんは「大高の3年間で夢を果たしたい」と笑顔を見せた。