『平田市政とともに』普及版を発行

15年間続いた平田市政の記録が普及版として再編集され発行された

「平成の行政史一般の人にも」

 2020年3月に刊行された『平田市政とともに なきゃとまぁじんま』が、再編集の上で普及版として発行された。15年間続いた平田市政を通して「平成の行政史」を振り返ることができることから、「一般の人も手に取って読んでもらいたい」との思いを込めている。

 名瀬市長を3期、2006年4月に3市町村の合併で誕生した奄美市の初代市長として1期務めた平田隆義さん(86)の記録。同書では、159人に及ぶ寄稿文や座談会などにより旧名瀬市の財政再建、市町村合併等に取り組んだ平田市政の歩みを伝えている。

 刊行委員の一人である花井恒三さん(76)によると、刊行後、「平成期の貴重な奄美史資料」「寄稿者間だけの資料に終わってはもったいない」「もっと広く一般の人にも読まれてほしい」などが寄せられたという。そこで刊行委では寄稿者の了解を得るとともに、新たに安田壮平奄美市長の「普及版の発行にあたって」を追加、さらに平田後援会コーナーや家族編など政治・私家版的ページは省き、奄美平成期(前・中期)の行政資料として分かりやすく再編集した。

 資料編では平田市政当時の統計(決算規模、職員数、市民一人あたり所得、人口などの推移)、年表、広報紙も収録されている。花井さんは「市長は奄美群島広域事務組合管理者でもあり、全郡を俯瞰(ふかん)した視点のほか、国や県との関係にも触れている。刊行当初から普及版の提案があったが、コロナ禍もあり編集作業が計画通り進まず、ようやく発行できた。類例を見ない平成の行政史として一般のみなさん、現在の市政に携わる市役所の後輩のみなさんも先輩たちの奮闘を示す記録を手に取って読んでいただきたい」と語った。

 3月発行された普及版はA4サイズで、今回は名瀬市街地の風景写真を掲載したカバー付き。発行部数は100部で、市内の書店(楠田書店、TSUTAYA名瀬店)で2500円(税込み)で販売予定。問い合わせは㈲広報社電話0997・52・1138まで。