持続可能な「公共交通計画」を

初会合を開いた奄美大島地域公共交通活性化協議会

広域で官民連携 24年度中策定へ協議会発足
奄美大島5市町村

 奄美大島5市町村広域の公共交通の在り方を協議し、計画を定める「奄美大島地域公共交通活性化協議会」が10日、発足した。奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)で初会合があり、官民が連携しながら持続可能な公共交通の実現を目指す「奄美大島地域公共交通計画」の策定に向けて委員らが協議した。計画はおおむね5か年の見込みで、2024年度中の策定を目指す。

 23年10月施行の改正地域公共交通活性化再生法(地域交通法)に基づく措置で、委員は5市町村の首長を中心に、交通事業者や県、警察、地域関係者ら20人で構成した。

 計画には、急速に進む利用者減少や担い手不足といった地域の特性を踏まえつつ、路線再編やデマンド交通導入、目標達成に向けた事業などを巡る施策を検討し盛り込んでいく。まずは、共通の方針や目標を示す上位計画を決定。上位計画に沿って5市町村それぞれの計画を作っていく。

 会では事務局の奄美市商工政策課が趣旨や日程などを説明した。会長に安田壮平奄美市長、副会長に伊集院幼大和村長などを選任。安田市長はあいさつで「路線バスでは将来的な継続が懸念され、タクシーでは観光客の移動手段としても影響が出ている。効率的な公共交通体系の構築は急務。闊達(かったつ)な意見を」と期待を込めた。

 意見交換では、しまバスを運行する担当者から運転手不足に対する現状が説明された。2024年問題を背景に、今後も減便や時間短縮に拍車がかかることが見込まれている。

 オブザーバー参加の九州運輸局鹿児島運輸支局の谷口誠一主席運輸専門官は「地域の足を確保するための価値を創造してほしい」と強調。「要望でなく提案する会にしてほしい」と呼び掛けた。

 計画策定にあたっては、調査や課題整理など業務を支援する事業者を12日から公募型プロポーザルで募集する。次回は9月頃を予定している。