群島各地で海開き

伝統行事に倣い子どもたちの無病息災を願う家族や親子たち(11日、奄美市笠利町の用安海岸)

サンガツサンチを迎え 健康願う親子連れの姿も

 「サンガツサンチ」(旧暦3月3日)に当たる11日、奄美群島各地で海開きを迎えた。
奄美市笠利町の用安海岸では天候にも恵まれ、海水温度23度を記録。海辺には多くの親子連れが集まり、初節句を迎えた子への伝統行事に倣い赤ちゃんの足を海水に浸し、健康や成長を願った。

 用安海岸では、リゾート施設「ばしゃ山村」(奥圭太社長)が恒例の海開きを行い、神事に海上保安庁や警察・消防、観光事業者ら22人が参列。今シーズンの海の安全を祈願した。

 神事では唄者の福山幸司さんが「よいすら節」を奉納。笠利総合支所産業振興課の肥後健作課長による海開きの宣言とともに12組の親子が、赤ちゃんたちの足を海につけようと波打ち際へと向かった。

 奄美市名瀬の森川瑠華さん(30)は以前参加した長女の琳月(りづき)ちゃん(3)を連れ、生後5か月の次女、紗凪(さな)ちゃんの足を海水へ。「健康ですくすく育って、子どもたちの未来が明るくありますように」と願いを込めた。

 一方、用安海外沖合では奄美海上保安部所属の巡視船かいもんが哨戒。同保安部の樋口則一部長(51)は海開きに当たり「1人で遊びに行かない、ライフジャケット着用など安全確保、事故時は118へ通報など注意事項を守りながら、奄美のきれいな海を楽しんでいただければ」と話した。

 この日は奄美市名瀬の大浜海浜公園のほか、知名町の屋子母(やこも)ビーチ、与論町の茶花海岸などでも海開きがあり、13日は瀬戸内町蘇刈のヤドリ浜海水浴場で海開きの神事が行われる。