集落で新入学祝う

龍郷町瀬留集落で行われた「合同入学祝い」。約70人が門出を祝った
壇上から「よろしくお願いします」とあいさつする﨑田那海さん(中央)と家族

龍郷町瀬留 1年生5人、5年ぶり開催
「子どもは社会の宝」

龍郷町瀬留集落(恵島廣光区長)の公民館で13日、有志主催の2024年度「合同入学祝い」があった。8日、龍瀬小学校(今村宗一郎校長)に入学したばかりの〝ピカピカの1年生〟5人と保護者たちが住民約70人から祝福を受けた。「子どもは社会の宝。地域で育てる」という大人たちの思いの詰まった宴(うたげ)となった。

恵島区長によると、入学・卒業などの合同祝いは、かつては集落ごとに毎年行われていた行事だという。同集落では、コロナ禍や入学する児童の減少で開催は5年ぶり。祝い式は会費制で行われ、子どもたちには特別メニューの弁当とお菓子が用意された。

同小の今年の入学者は13人。同集落から登校する5人(全員6歳)が、入学式と同じいでたちで一列になって入場し、主賓として上座に席を並べた。

有馬陽琉(はる)君は「遊んだり走ったりするのが好き。好き嫌いもない」と元気いっぱい。﨑田那海さんは「漢字をパソコンソフトを使って覚えてる」と学究肌。竹田一翔(いっさ)君は「跳び箱は6段跳べる」とスポーツマンタイプ。外薗和奈さんは「うんてい、鉄棒、跳び箱、体育全部好き」と活発な女の子。益満一星(いっせい)君は「勉強が楽しい、国語が好き。遠足で海に行って見たい」と夢がいっぱい。 

竹田君の父で同集落出身の翔太さん(39)は「小学校入学、中学校卒業、成人式と集落で祝ってもらうのが当たり前だった。久しぶりの雰囲気が懐かしい。プレゼントは用意できなかったが、子どもたちには全員で愛を届けたい」と話した。

赴任して2年目の今村校長も参加し、「地域で子どもの成長を見守るという温かい環境が伝わってくる」と感慨深げに語った。

中盤には、一人ずつ舞台に上がり自己紹介。「よろしくお願いします」と初々しくあいさつし、大きな拍手で歓迎を受けた。司会のインタビューにほとんどが「担任の(亀島)亜未先生はやさしい」と答える中、﨑田さんは「怒る時もある」と答え、大きな笑いを誘っていた。

2年前、奄美市から転入した﨑田君の父・太一さん(44)は「静かな環境で子育てには最適。3人の子も自由に伸び伸びしている」と同集落での生活ぶりを話した。

恵島区長は「5家族のうち4家族は転入世帯。共働きが多いので、地域の人が見守ってくれれば。これからも人のつながりを深めていきたい」と思いを語った。