23年県内労災死傷

7・2%増の2240人 高年齢層ほど多く
鹿労局まとめ

 鹿児島労働局が発表した2023年労働災害発生状況(確定値)によると、休業4日以上の死傷者数は前年比7・2%増の2240人となった。年齢別では高年齢層ほど多くなっている。

 死傷者数は新型コロナウイルス感染症の罹患(りかん)による労働災害を除いている。死傷者数のうち死亡者数は14人で、前年比1人増加した。

 労働者発生状況を業種別にみると、死亡者数は製造業4人(前年ゼロ)、建設業3人(同5人)、商業2人(同2人)、運輸交通業1人(同同)、林業同(同同)。前年ゼロだった製造業が最多となった。死傷者数は製造業440人(同376人)、保健衛生業387人(同355人)、建設業304人(同283人)、商業293人(同295人)、運輸交通業211人(同200人)の順で、保健衛生業は建設業を上回った。

 労働災害の要因別では、「転倒や腰痛(動作の反動・無理な動作)」といった行動災害が多くみられるという。

 年齢別でみると、60歳以上728人(前年720人)、50歳以上60歳未満550人(同479人)、40歳以上50歳未満405人(同389人)となり、50歳以上の割合が57・1%と全体の6割近くを占めた。同局健康安全課は「高年齢層ほど多くなっており、特に社会福祉施設では50歳以上の割合が68・1%と、その傾向が顕著になっている」と分析する。

 同課によると、23年度を初年度とする第14次労働災害防止計画では、労働者の作業行動に起因する労災防止対策など八つの重点対策に取り組み、死亡災害は毎年10人以下、死傷災害は増加傾向に歯止めをかけ毎年減少を目指している。しかし19年以降2000人を超え、増加傾向に歯止めがかからない状況。同局では「今後も高年齢労働者の災害防止対策を含む労働者の作業行動に起因する労働災害防止対策を推進するほか、墜落・転落災害対策等を推進することにより、労働災害防止に努める」としている。