徳之島農政4団体が総会

次期営農ビジョン(2025年度以降10年)策定概要案も承認。徳之島地域総合営農推進本部総会=16日、徳之島町

「亜熱帯気候と畑かんでワイドに」
次期営農ビジョン策定概要を承認

 【徳之島】徳之島地域総合営農推進本部など同島の農政関連4組織の2024年度総会が16日、徳之島町生涯学習センターで相次ぎあった。地域農業の各種課題の解決や営農改善を図る同営農推進本部は、「亜熱帯性の気候と畑かんで徳之島の農業がワイドに変わる!~雨待ち農業からの脱却」を標ぼうする次期営農ビジョン(25年度~34年度まで10年間)の策定概要案を承認した。

 【徳之島地域総合営農推進本部(本部長・大久保明伊仙町長)】3町や県農政・JA・製糖企業・用水土地改良区など関係機関・団体の代表ら約40人が出席。大久保本部長は、農業従事者の高齢化や担い手の減少、原油や肥料・飼料など高騰で厳しい状況が続いているが「農業を魅力ある産業とし、次世代に引き継ぐことが島の発展につながる」などと連携強化を要望。協議では全議案を承認した。

 24年度事業計画では、地域農業の各種課題解決や営農改善に、①農業絵画を通じた農業に対する小学生の関心の喚起②畑地かんがい(畑かん)利用技術の向上、収益性の高い農業への意識啓発事業―などを継続。七つの専門部会(土地利用畑かん・園芸・畜産・糖業・生活・担い手・畑かん営農推進プロジェクトチーム)それぞれの実績と活動計画も示した。

 「次期営農ビジョン」(概要)では、今後の課題に「水利用による基幹的作物のさらなる生産性向上」など強調。サトウキビ収量の141%増、バレイショの145%増、飼料作物(トランスバーラ)栽培面積増、経営体などの育成、畑かん活用の高収益作物の計画的導入―なども提起。

 その上で10年後(34年度)の目標として、基幹品目(キビ・飼料作物・バレイショ)のほか「戦略品目」にゴマやショウガ、カボチャ、パッションフルーツなど9品目。「検討品目」には落花生、コーヒー、茶、サツマイモなども挙げている。今年度中に各町詳細計画を冊子にまとめる。

 【徳之島地域農業総合対策推進協議会(会長・森田弘光天城町長)】24年度事業には徳之島ダム関連の九州国営かんがい排水事業促進協議会提案・要望活動などを掲げた。国営附帯県営畑かん整備事業(全散水面積目標3451㌶)は23年度末進捗(しんちょく)で1080㌶(31・3%)となっている。

 【徳之島農業改良普及事業協議会(会長・大久保伊仙町長)】24年度の主な活動計画は「新規就農者励ましの会」や同基礎研修会、女性農業士研修会、青年農業者会議など。任期満了による役員改選で新会長に森田天城町長が就任した。

 【徳之島地域農業用廃プラスチック類適正処理推進協議会(会長・碇本順一天城町農政課長)】同3町の関係機関が連携した23年度の回収実績(各町2回実施)は計3万3640㌔。24年度は3回(5・8・12月)に計画して、排出抑制(リデュース)・再利用(リュース)・原材料や熱エネルギーへの再生利用(リサイクル)を促進する。