景勝地「喜念浜」美化奉仕も

伊仙町喜念浜(奄美群島国立公園)の美化活動にも協力した徳之島高1年生ら=19日午後


往復約16㌔「遠行」を踏破した(復路の徳之島町南原付近)

徳之島高1年生ら 「1日遠行」約16㌔踏破

 【徳之島】県立徳之島高校(徳之島町亀津、上田勇一校長)の1年生94人の「1日遠行」が19日、学校発着の伊仙町喜念(きねん)浜海岸往復の県道コース約16㌔であった。「奄美十景」の一つで奄美群島国立公園の同海岸では、人海戦術で漂着ごみ類を拾い集めるなど清掃活動も実施。ふるさとの環境保全と美化に一役買った。

 「1日遠行」は、入学間もない1学年生らの団結と新たな学級内で親睦を深め、公共マナー意識の向上、集団行動を学ぶ―など目的の学年行事。今年は移動性高気圧に覆われ初夏の陽気の好天(日中の最高気温24・9度)に恵まれた。生徒たちは午前9時、教師らの引率で出発。臨海コースからの景観と級友たちの談笑も楽しみながら約1時間半後、全員が喜念浜海岸にたどり着いた。

 海岸の散策や昼食の後、伊仙町きゅらまち観光課職員から「不審な物質や液体の入った漂着物には触らないで」などアドバイスを受けて活動。外国産と見られるペットボトルや発泡スチロール、漁具(漁網・ウキ・ロープ)など人工物のみの漂着ごみを拾い集め、同課が回収協力した。

 生徒の1人・永喜莉亜さん(15)は「歩くのは疲れたが、改めて島の自然を観察できた。喜念浜の手前では親子で磯釣りを楽しむ姿に癒された。清掃活動では、大きいごみに目が行きがちだが、白い砂に紛れた小さなプラスチック片が気になりました」とも。

 同町きゅらまち観光課の職員は「親しむ機会のある喜念浜。若い高校生たちが、清掃活動を通して世界自然遺産の島の環境を守り、自然資源の価値も再認識することは大変素晴らしい。ご協力に感謝します」と話した。

 午後4時頃までには全員が元気で学校にゴールした。