大会を10日後に控え練習に熱を込める選手たち
大会での活躍を誓った丸潮漕友会メンバー
28日に伊佐市で開かれる「いさドラゴンカップ2024」の本番に向け、練習が佳境を迎えている。大和村の舟こぎチーム・丸潮漕友会(まるしおそうゆうかい)(上村太一会長)のメンバーらが名音漁港に集い、一漕一漕に集中し熱心に調整。漁港内に大きな掛け声を響かせ、闘いへの魂を奮い立たせていた。
丸潮漕友会は、名音集落と周辺の若手らが集まり2018年に発足。一般、レディース、高校、子どもの4チームで構成し、メンバー25人が所属。23年は、奄美まつり舟こぎ競争、県体大島地区大会の主要大会で優勝を果たすなど、島を代表するチームに成長している。
ドラゴンカップは、県内外から手こぎ舟やカヌーの強豪チームが集う大会で、湯之尾温泉街を望む川内川を舞台に2002年に開始。チームは初出場。さらなる高みにと挑戦を決めた。
練習は夕刻、1年を通して毎日誰かが舟の上にいる。荒天の日も、反省会で技術やチームについて話し合ったり、ビデオで強豪チームを研究したりと、研さんに余念がない。最近は熱心な姿勢に心打たれる支援者も増えており、上村会長(38)は「何気なく始めたチームだが、結果的に伝統文化の継承や集落活性化に役立っている」と話す。
大会を間近に控えた18日は、選抜選手8人らが参加し、パドルに力を込めた。時間が経つにつれ女性や高校生メンバーも集まり、周辺はいつもの活気ある漁港に。赤く染まった夕日を背に息を合わせ、7・9㍍のアイノコ舟を力強く走らせた。
メンバーの森岡豊史さん(42)は「常に舟のことばかり考えているメンバー。不安もあるが、やる気も高まりベストな状態に近づいている」と強調。奄美高校3年の登喜健大さん(17)は「年齢に関係なくやさしい先輩たち。向き合う姿勢が素晴らしく、このチームで頑張りたい」と笑顔で話した。
本番は10日後。これまでの実績やタイムを勘案すれば勝算はある。上村会長は「練習量は一番で、どのチームにも負けていない。団結力の高いチームで普段の力が発揮できれば勝てる。集落や支援者に良い報告を届けたい」と活躍を誓った。
上鹿メンバーは15人。26日の船便で移動し、27日は前日練習に参加。28日は、島の伝統文化の誇りを胸に強豪らに挑む。