知事定例会見

「適切な手続き対応を」
辺野古埋め立て 奄美大島の土砂使用報道受け
「国等からの連絡なし」

 塩田康一知事の定例記者会見が19日、県庁であり、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設で軟弱地盤の広がる大浦湾側の埋め立てで、防衛省が奄美大島で採取した土砂の使用を検討しているとの一部報道が取り上げられた。知事は「報道でしか把握しておらず国等からの連絡はない」としたうえで、「適切な手続きによる対応」を求めた。

 会見では「早ければ来年から奄美の土砂を使った埋め立てに入るとの報道がある。知事として受け入れられるのか」との質問があり、知事は答弁で▽奄美の土砂を採取するというが、どういう形で行うか分からないが、採取に関して必要な手続きをしっかりと行わなければならない▽沖縄県においては受け入れにあたっての条例(特定外来生物が土砂に紛れて県内に侵入するのを防ぐことを目的に県外からの搬入を規制する内容)がある。適切に対応する形で実施する必要がある―を挙げ、この二つを国に求めていくとした。

 鹿児島県として「奄美大島の土砂の活用に協力していくか」との質問では、知事は「協力ではない。適切な手続きをとっていただく必要があるということ」と述べ、「場所(採取・搬出する)がどこか、世界自然遺産に登録され、いろんな規制がある中で手続きに従って守らなければならず、自然保護に配慮することは当然のこと」と述べた。また、沖縄県の条例のように外来種防止の観点から鹿児島県として持ち出す側の条例制定については「できるか、今後検討したい。地元の皆さんの理解を得ながらどういう手続きでどこまで進めるか、こうした案件では必要。手続きで全てだめか、そういうことではなく地元の状況を見て検討する必要がある」との考えを示した。

 緊急時の国民保護や大規模災害の発生に備え、政府は今月、九州・沖縄の空港や港湾7か所を平時から自衛隊や海上保安庁が使える「特定利用空港・港湾」に指定した。鹿児島県も候補地となったが、今回は指定されなかった中、国に求めている説明について「首長をはじめとした行政か、住民に対してか」との質問があった。知事は「港湾、空港の利用となると地元の皆さんが使うところであり、こうした地域の皆さんの理解を得ることが大事。首長(市町村長)だけでいいのか、住民説明会を開くのか、いろんなやり方がある。まず地元の市町村と調整を行っていただきたい」と述べた。米軍の使用につながるかは「国の方で米軍の使用を想定していないと受け止めている。米軍の使用となれば、しっかりと国に説明を求めていく」とした。