小中高生が一日図書館長

「一日図書館長」として押印体験する泉奏音さん(右)と宮永治館長(21日、県立奄美図書館)

 

 

奄美図書館 初版本との出会いも

 

 23日に開館15周年を迎える県立奄美図書館(宮永治館長)で21日、小中高生3人が「一日図書館長」に就任、館長業務や司書業務に取り組んだ。「こどもの読書週間」(23日~5月12日)を前に開催されたもので、3人は本の読み聞かせにも初挑戦。巡視で訪ねた書庫では、蔵書数25万冊の大型図書館の裏側に驚き、「貴重な体験だった」と振り返った。

 一日図書館長を務めたのは、いずれも奄美市の佐仁小学校6年・山下ひらりさん(11)、笠利中学校3年・泉奏音(かなん)さん(14)、奄美高校2年・森田陽向(ひなた)さん(16)。緊張した表情で宮永館長から委嘱状を受け取り、タスキを掛けられた。

 最初の業務は公文への押印体験。一人ずつ館長席に座り、慣れない手つきで印を押した。約50人の親子を前に、初めての読み聞かせにも挑戦した。

 普段入ることのできない書庫や作業室を巡視、カウンター業務や司書業務の基本と言われる「整架」(本棚の片づけや返却本の整理など)、貸出業務も体験した。

 慣れない作業を終えた山下さんは「図書館の裏側を知れ楽しかった。学校で図書委員をやっているので、これからも本を丁寧に扱いたい」、泉さんは「書庫で大好きな中原中也の初版本を見て感動した」、森田さんは「今後もたくさんの本と出会っていきたい」と語った。

 宮永館長は「図書館は県民の学習欲求に応えるサービス。インターネットの普及で便利な時代になったが、本の良さに気づき、伝えていってもらいたい」と語った。