「与論十五夜踊り」奉納

「松尾姫」を奉納する踊り子ら(23日、与論町地主神社)

島中安穏願う

 【沖永良部】旧暦3月15日にあたる23日、与論町地主神社で国の重要無形民俗文化財「与論十五夜踊り」が奉納された。地元住民や観光客が見守る中、全9演目を披露した。

 五穀豊穣(ほうじょう)や島中安穏、無病息災を祈る豊年祭として、1561年に創始されたと言われている。年3回(旧暦の3、8、10月の15日)奉納され、琉球風の踊りを奉納する二番組と大和風踊りの一番組が交互に演目を披露するのが特徴。

 祭りの初めは、二つの組が合同で行う「雨賜り」を奉納。続いて「一度いふて」「三者囃子(はやし)」「この庭」などに加え、約40年ぶりに「松尾姫」も披露された。

 この日は、与論中学校の生徒が見学に訪れ、音楽に合わせて振り付けをまねしながら真剣な表情で踊りを見ていた。

 与論中2年の上原直太郎さん(13)は「小学生の頃に踊りを教わった。音楽を聴くと、自然と手が動いた。長い間、踊り継がれているというのは本当にすごい」と話した。

 田畑克夫町長は「この島が1年を通して平和であるのは、十五夜踊りがあるからこそ。これからも伝統を守り続けていきたい」と話した。