南西糖業ようやく製糖終了

工場の機器故障による長期の操業休止など波乱の製糖期が終了した南西糖業(徳和瀬工場)=21日、徳之島町

搬入量16万8298㌧ 買い入れ糖度は過去最高
徳之島

 【徳之島】徳之島の南西糖業㈱(神﨑俊代表取締役)は22日までに2023/24年期産サトウキビ原料の受け入れを終了した。同社の大型2工場のうち徳和瀬工場(徳之島町)の機器故障で異例の約2か月間操業休止があり、前期より23日間遅れた。その一方で搬入量は16万3298㌧(前期実績比5833㌧減)、平均買い入れ糖度については15・25度と過去最高を更新した。

 同社の徳和瀬、伊仙両工場は昨年12月21日から原料キビの搬入を受け入れ、操業開始した。ところが、翌22日夕に徳和瀬工場のボイラー発電機器に、同社創業以来の「重篤な故障」が発生。外部電源(発電機)を導入・仮設して操業再開にこぎ着ける2月19日まで約2か月間にわたって操業休止。この間、伊仙工場だけの1工場態勢の原料搬入・操業を余儀なくされた。

 製糖実績速報(23日夕、同社徳之島事業本部農務部)によると、大型工場別の原料の受け入れ日数及び搬入量は、▽伊仙工場(23日終了)が109日、11万2977㌧▽徳和瀬工場(17日終了)57日、5万321㌧の計16万3298㌧。搬入量の町別内訳は▽天城町6万1969㌧▽伊仙町5万879㌧▽徳之島町5万450㌧の計16万3298㌧。前期実績(16万9131㌧)は下回ったが、結果的に搬入見込み量(16万㌧)を3297㌧上回った。

 一方、平均買い入れ糖度は15・25度(最高18・70度)と品質取引移行後の最高値を更新した。品質向上に伴い平均生産者手取り額(㌧)も2万6511円(前期比2370円増)と過去最高だった。

 今期作況については「台風被害などの影響は少なく、生育は平年並みに推移。9月から11月にかけては降水量が少なく乾燥した日が続いた。製糖期間中も比較的天候に恵まれ、平年より登熟が進み、平均買い入れ糖度は最高値を更新した」(農務部)。

 同島の今期キビ生産量や平均単収などの実績は、島内の各小型製糖工場処理量(2千㌧弱の見込み)を加味して今後算出される。