元陸幕長・岩田氏講演

奄美群島市町村議員大会の研修会で講演した元陸上幕僚長の岩田清文氏(23日、大和村思勝)

台湾有事は「日本有事」
総合的な安全保障説く

第65回奄美群島市町村議員大会の研修会が23日、大和村体育館で開かれ、元陸上幕僚長の岩田清文氏(67)が講演した。「激変する国際情勢と我が国の防衛―台湾・日本有事に備え、戦争を抑止する―」と題し、中台紛争(台湾有事)勃発の可能性を指摘。抑止力の強化とともに国、地方公共団体・機関らが協力する国全体の総合的な安全保障の必要性を説いた。

岩田氏は防衛大学校を卒業した1979年、陸上自衛隊に入隊。米陸軍指揮幕僚大学(カンザス州)へ留学後、統合幕僚副長、北部方面総監(北海道)など経て、2013年から16年まで第34代陸上幕僚長を務めた。

世界情勢について岩田氏は「ロシア、中国、イラン、北朝鮮が連携を取る中、米国による抑止力が低下している」と指摘。中国と台湾の武力衝突については「習近平主席は毛沢東氏以来の英雄になろうと、台湾統一に向け武力行使も辞さない構え」と有事が起きる可能性を伝えた。

台湾有事のシミュレーションでは▽ハイブリッド戦(情報戦・サイバー攻撃を組み合わせた軍事戦略)▽侵攻準備―など各想定を説明。先島諸島約10万人の国民保護や在中国邦人約11万人、在台湾邦人約2万人の輸送・避難体制とは別に、台湾からの避難民の受け入れ態勢が未整備であるなど課題を報告。米軍参戦時の対米支援が重要となるなど、台湾有事が「日本有事」となる理由を説明した。

「歴史的な転機」と評した、22年に閣議決定した安保3文書については「実行が不可欠。中国の台湾侵攻を決断させない、戦わずして勝つ」とする抑止力の重要性を強調。国、地方公共団体・機関らが協力する、総合的な安全保障力の強化が必要と説いた。