奄美事業所数112か所減

 
 
 
増加最多は龍郷町、従業者数も
県全体、卸売・小売業の減目立つ
21年までの5年間

 

 

 事業所などに関する集計である国の経済センサス活動調査(2023年公表)を基に鹿児島県が関係分をまとめたところ、21年6月1日現在の県内の事業所数は7万1793か所(全国24位)で、16年の調査と比べ5年間で3650か所(4・8%)減少したことが分かった。地域別も明らかにしており、奄美地域(奄美市・大島郡)は112か所(1・7%)減少しているが、市町村別でみると6町村は増加し、このうち最多は龍郷町で、同町は従業者数の増加数も最多だった。

 県内の事業所数を7地域別にみると、鹿児島地域が2万9762か所と最も多く、県全体の41・5%を占めている。5年前の前回調査に比べ全地域で減少しているが、奄美の減少数が最も少なかった。従業者数を7地域別にみると、鹿児島地域が30万2404人と最も多く、県全体の45・8%と半分弱を占め、事業所数を含めて同地域に集中している。前回調査比で増加は奄美(299人)のみで、他の地域は減少した。

 産業別(全17産業)に事業所数をみると、卸売・小売業が1万8837か所(全産業の26・2%)と最も多く、次いで宿泊・飲食サービス業(8636か所)、医療・福祉(7324か所)などとなり、この3産業で全産業の5割弱を占めている。前回調査比で増加は医療・福祉(426か所)、個人経営を除く農林漁業(237か所)、学術研究、専門・技術サービス業(167か所)など8産業。一方、9産業が減少したが、中でも目立つのが卸売・小売業と宿泊・飲食サービス業でいずれも10・7%の減となった。緊急事態宣言、時短営業といったコロナ禍の影響を大きく受けたとみられており、卸売・小売業ではインターネット通販の普及も影響している。

 事業所数・従業員数を奄美地域の市町村別でみると、前回調査比で事業所数の増は6町村だが、龍郷町(45か所増)は県内でも最多の増加数。減少の6市町のうち最多は徳之島町の140か所減だった。従業者数の方は増加8市町村、減少4町村。増加の最多も龍郷町で435人となり、これに次ぐのが伊仙町の120人。従業者数増の県内最多は姶良市(610人)で、次いで龍郷町となっている。

 事業所・従業者数の増加について龍郷町の則敏光副町長は「利便性の良さにつながっている『国道効果』があるのではないか。民間の造成工事により事業所や住宅の開設が続いている。国道沿線の赤尾木、浦、大勝、中勝の各集落は増加傾向にあり、人口も増えている」と説明する。