徳之島GW闘牛

左前肢に深いダメージを負うも、驚異的な粘りで逆転勝利し新全島一王者となった「豊島幸輝心」号(右)=4日、徳之島なくさみ館

 

 

全島一王者に「豊島幸輝心」
闘勢琥珀が初黒星
約3千人が熱狂

 
 【徳之島】徳之島名物のゴールデンウィーク闘牛大会(GW闘牛)3日目の4日は第37回徳之島全島一・ミニ軽量級優勝争奪戦徳之島町大会(同町闘牛協会北部支部主催)が徳之島なくさみ館(伊仙町目手久)であった。闘牛王国の無差別級の頂上決戦である「全島一」タイトル戦は、挑戦牛の「豊島幸輝心」(徳之島町亀津、牛主・豊島明良さん)が「藤野組闘勢琥珀(こはく)」(神戸)に23分26秒に及ぶ激闘の末に逆転勝利し、新王者となった。

 今年のGW闘牛は2日午後6時半分からの第37回徳之島軽量級優勝旗争奪戦天城町ナイター大会(会場同)で開幕した。太鼓と指笛に乗せた「ワイド、ワイド」の熱狂的な〝闘牛ばやし〟、愛牛の闘志や技を駆り立てる勢子(せこ)との〝人牛一体〟のガチンコ勝負。各大会ともに帰省客や観光客も交え3000人前後の観客をのみ込み、魅了している。

 闘牛王国の最強無差別級「全島一」王座を懸けた4日の横綱戦。「藤野組闘勢琥珀」は昨年5月、徳之島から沖縄に移籍した横綱牛「牛若赤丸ぎのわん號」(元・威風神威(いふうかむい)を沖縄全島大会で下して最強王者となり5連覇中のまま徳之島に移籍。新春大会で「黒龍王」の3度目防衛を阻止して王者となった。

 体重約1・15㌧の巨漢、無敗同士の両牛。「幸輝心」は序盤の熾(し)烈な攻防戦で柵に押し込まれ左前肢からの出血のダメージを負う。だが得意の「角(つの)かけ」技で応戦し、大方の予想を覆す驚異的な闘志で反撃。両牛とも最長戦の末、「幸輝心」が「闘勢琥珀」の腹取り速攻で逆転勝利した。闘牛情報をネット配信する専門家(50歳代男性)は「十数年ぶりにみる名勝負だ」と興奮気味だった。

 ミニ軽量級(体重700㌔未満)は「友良牛」(伊仙町古里、牛主・友良賢士さん)が「伊仙中41年生号」の挑戦を12分52秒で退け、初防衛を果たした。

 GW闘牛最終は5日午前11時半から第2回こどもの日フェスティバル(会場同、ステージイベントに続き闘牛開始は午後1時半から)がある。