日本政策投資銀行南九州支店(鹿児島市)と日本経済研究所(東京)=同銀行グループ=は、「消費者アンケート等から見えてきたもの」として鹿児島県産本格焼酎への関心や認知度に関する調査結果をまとめ、公表した。日本酒やワインは飲むが、焼酎は飲まない人では4割が焼酎のソーダ割りを知らないことが判明。多様な飲み方を好む割合は多いことから、「PRしていくことが有効」としている。
日頃、酒類(焼酎・日本酒・ワイン)を購入する人(全国930人)を対象に、▽焼酎全般に関する知識や認知度▽高付加価値な焼酎、日本酒、ワインを日頃購入する人の購入背景▽レギュラー酒から高付加価値な焼酎を選択する理由―などについて調査した。
調査結果で焼酎全般にかかるイメージをみると、「味や風味が異なる、多様な品ぞろえがある」(そう思う35・9%、やや思う50・0%)、「食事に合わせやすい」(そう思う28・0%、やや思う43・8%)、「体にやさしい」(そう思う20・1%、やや思う49・5%)が高かった。一方で、「若い人が好む」(そう思う6・0%、やや思う18・4%)、「女性が飲む」(そう思う5・5%、やや思う15・8%)、「おしゃれ」(そう思う6・9%、やや思う15・4%)、「高級なお酒」(そう思う5・9%、やや思う19・0%)は低い結果となった。
知識の方は、原料の違いの認知度は9割超だったものの、「フレーバー系焼酎(従来にないフルーティーな香り)の存在」「本格焼酎の定義」「連続式・単式の区分」「県内の蔵元数」についての認知度は4割を下回り、G1(地理的表示)については30%にとどまった。この結果について「高価格か否かを問わず本格焼酎の特徴を、本格焼酎ファンの視野を広げるためにも強くアピールすることが必要」と指摘する。
焼酎を飲まない人が、焼酎を購入する・飲む条件としては、「ソーダ割りや、カクテルなど、その焼酎の特徴を生かしつつ、多様な飲み方ができる焼酎」(女性49・8%、男性31・3%)が高かった。20~30歳代、女性で特にその傾向が強い。ソーダ割りについては「飲んだことがある」との回答は3割程度にとどまり、「知らない」と回答した割合も4割程度となった。
この結果について「日頃、焼酎を飲まない人に対しては、多様な飲み方を伝えつつ、商品の特徴(原材料へのこだわり、味や風味)を伝えていくことが重要」とする。